著者
萬代 大樹
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.434-434, 2016 (Released:2016-05-01)
参考文献数
3

近年,有機分子触媒の分野は著しい発展を遂げており,遷移金属触媒と並ぶ重要な研究分野となっている.しかし,高いターンオーバー数(TON)あるいはターンオーバー頻度(TOF)を示す高活性有機分子触媒はいまだ報告例が少ないのが実情である.Songらは,100ppm(=0.01mol%)以下の触媒量でもシリル化による第二級アルコールの速度論的光学分割反応が円滑に進行することを見いだしたので,本稿で紹介する.なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.1) Müller C. E., Schreiner P. R., Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 50, 6012-6042 (2011).2) Park S. Y. et al., Nat. Commun., online 18 Jun. 2015, doi : 10.1038/ncomms8512.3) Zhao Y. et al., Nature, 443, 67-70 (2006).