著者
窪田 英樹 萱野 茂 岸下 浩治 小笠原 康志
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会 論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.41, pp.1-10, 1989-10-25 (Released:2017-09-05)

本論文は,伝統構法に基づいて復元されたカヤぶきのチセ(3.7×5.4m)における14箇月間にわたる調査の結果に基づき,その結果の一部を暖房環境を中心にまとめたものである.冬期採暖時のグローブ温度は炉端の居住者の位置では約20℃であるが,炉端から離れると急激に低下した.しかし,室中央のグローブ温度は,二風谷の最寒期(外気温約-10℃)においても外気温より15Kほど,また床上50cmの気温も約10K,それぞれ高い値を示した.また,居住域のガス粉じん濃度はそれぞれCO20ppm,CO_20.06%,粉じん2mg/m^3であり,日本産業衛生学会基準の10〜40%程度であった.換気量は1.3×10^3m^3/h程度と推定された.