- 著者
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斎藤 嘉
落合 勝義
松本 五十生
- 出版者
- Japanese Society of Tea Science and Technology
- 雑誌
- 茶業研究報告 (ISSN:03666190)
- 巻号頁・発行日
- vol.1978, no.47, pp.56-61, 1978-03-30 (Released:2009-07-31)
- 参考文献数
- 2
狭山茶の火入れによる香味の改善策として,和紙利用による火入れ機を開発したので,その使用方法について検討を加た。1) 試作した火入れ機では,毎分胴1回転×扇風機70回転(茶温97℃)と,胴3回転×扇風機70回転(茶温95℃)の火入れ処理が最も火入れ香が良好であり,茶温の推移から良い火入れ香味の発揚を促すためには,茶温で95℃前後が最も適切で,90℃以下では火入れ不足の傾向を認めた。品質の総合的な見知から,攪拌型(胴あぶり式)火入れに比べ試作機による火入れ香味が優れており,焙炉火入れに似た特徴のある香気が得られ,火入れ香の強い中にも柔らかい深みのある香気で,味は甘味を増すことが認められた。2) 試作火入れ機による火入れの目的は,上級茶に応用するため開発したもので,従来の胴あぶり式と比べ,締り度の強い茶ほど外観で色沢をそこなわずに火入れを行い,香味の発揚も容易である。また,茶が大型になるほど白ずれし,色沢を損なう傾向が認められた。おわりに,本試験遂行にあたり,火入れ機の試作については伊達機販株式会社,ならびに同社元埼玉出張所長成岡武司氏に深く感謝の意を表します。また,本試験中の火入れ香など分析および助言をいただいた農林省茶業試験場原利男室長ならびに久保田悦郎技官に深じんなる謝意を表します。