著者
藤崎 源二郎 木村 寛 北川 義久 藤平 秀行 落合 昭二 木村 茂
出版者
宇都宮大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1995

有限次代数体kのガロア拡大K/kのガロア群がp進整数環(p:素数)I_pのカロ法群に同型であるとき,K/kをI_p-拡大という.I_p-拡大K/kに対して中間体の列k=k,⊆k_1⊆…⊆k_n⊆…⊆K,k_n/kはp^u次巡回拡大,が唯一つ定まる.k_nのイデアル類群のp-シロ一群の位数をp^<en>とすれば,十分大きなすべてのnに対してe_n=λ_n+μp^n+vとなる整数の定数λ(≧0),μ(≧0),Vが定まる(岩澤類数公式).λ,μをI_p-拡大K/kの岩澤不変量という.有限次代数体kに1のpべき乗根すべてを添加した体k_∞はkのI_p-拡大体となる.k∞/kをkの円分I_p-拡大とよぶ.岩澤不変量λ,μの研究は代数的整数論における中心的課題の一つであり,とくに円分I_p-拡大のλ,μの研究は重要かつ興味あるものである.本研究ではとくに円分I_p-拡大のλについて考察した。すなわち,研究代表者藤崎はkが有理数体のあるガロア拡大(ガロア群が(2,2)型アーベル群,四元数群,二面体群など1のとき,kの円分I_p-拡大のλについてある結果(kの部分体のλとの関係)を得た.また,特別なpについて計算例を集めた。研究分担者木村茂はネバンリンナ理論の発展についての総合報告を執筆発表した。研究分担者木村寛は授業資料として計算機から電算機に至るまでの発達を文献対比により整理した.また,中学校の課題学習で扱う教材を事例毎に考察した.