著者
北本 豊 葛西 善三郎
出版者
Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.260-266, 1968
被引用文献数
14 2 3

アミスギタケの子実体形成に対する化学的環境条件一栄養について検討した.この菌は種々の基質に対し広範な適応性を示し,炭水化物および有機,無機態の窒素源を利用して子実体を形成した.チアミンは生長,子実体形成1こ必要であり,Ca<sup>2+</sup>,Mn<sup>2+</sup>,Cu<sup>2+</sup>がこの過程を促進した.<br> 子実体形成はC/N比に顕著に影響された.CIN比は30:1程度が適当であり,低C/N比では原基形成およびその後の発育が阻害された.窒素源濃度が一定のとき,炭素源濃度を高くすると収量が減少した.<br> 子実体形成は栄養条件のみでは誘導されず,光その他が関与するものと考えられる.