著者
大神 訓章 長門 智史 葛西 太勝
出版者
山形大学
雑誌
山形大学紀要 教育科学 (ISSN:05134668)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.451-459, 2009-02
被引用文献数
1

要旨 本研究は、Y大男子バスケットボールチームの2007年に開催された公式17ゲームを対象に、オフェンス力及びディフェンス力について、中でもオフェンス判断力を加味した詳細な戦力の分析を試みたものである。これまで研究継続中である「マルコフ過程」の数学的手法を用い、攻撃回数、核、ブレ、オフェンス判断力及びディフェンス力を数量化し、Y大チームの戦力を分析した。その結果、Y大は、攻撃回数の平均値は、85とやや高めであり、また、ブレが大きく、自チームの理想とする攻撃回数、オフェンスの判断ができていないゲームが多く認められた。シュート成功値(A)について、得点比率(r) の2分の1を下回る値が見られるゲームが17ゲーム中4ゲームであり、ディフェンス力の強化が必要であることが示唆された。また、チームの理想とする攻撃回数や一回の攻撃に費やす時間など、オフェンス遅速に関わる的確な判断により、勝利する可能性が高くなるものと考えられ、今後のチーム指導に客観的な資料が提供された。