著者
蔡 平里 上田 博夫 辰巳 忠次
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.16, no.8, pp.346-349, 1969-08-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
20
被引用文献数
2

(1) とうがらしの辛味成分であるカプサイシンの酸部分である炭素数10のイソ脂肪酸に類似した酸を,天然に広く存在する鎖状モノテルペンより合成し,これとバニリルアミンからカプサイシン系辛味物質を合成し,天然のカプサイシン辛味成分混合体およびバニリルノナンアミドとその辛味を比較検討した。(2) 辛味についての官能審査の結果,NELSONの報告とはやや異なり,バニリルノナンアミドは,天然のカプサイシン辛味成分混合体に比べて辛く,バニリルジメチルオクタンアミドはさらに辛かった。(3) プラスターに添加した場合の皮ふに対する刺戟性では,バニリルジメチルオクタンアミドは,バニリルノナンアミドの約1/2であった。