著者
木原 知穂 薬師神 裕子
出版者
一般社団法人 日本小児看護学会
雑誌
日本小児看護学会誌 (ISSN:13449923)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.51-58, 2016

本研究の目的は、タブレット型携帯端末を用いた小児糖尿病自己管理支援システムを活用し、1型糖尿病を持つ子どものセルフケア能力と自己効力感に関する効果を検証することである。糖尿病サマーキャンプに参加した1型糖尿病を持つ9歳〜18歳の15名を対象に、開発した専用アプリから、血糖値等のデータ入力を依頼し、システム使用前、使用直後、1か月後の糖尿病セルフケア行動尺度及び自己効力感尺度得点の変化を分析した。システムの評価は、アプリの評価得点とシステム使用時の子どもの反応から分析した。セルフケア行動尺度得点は、キャンプ終了後に有意な上昇を認めた。システムを楽しく活用して自己のデータを記録し、グラフ画面で各データを一元的に見て自身のデータを振り返ることで、自己の行動やインスリン量と血糖コントロールを容易に関連づけて考えることが可能になり、血糖コントロールに関する気づきや意欲を引き出す効果が示唆された。
著者
薬師神 裕子 中村 慶子 山崎 歩 二宮 啓子
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

思春期1型糖尿病患児へのメンタリングを用いた看護介入プログラムを開発し、思春期患児(10名)及び青年期患児(7名)への双方の介入効果を評価した。1年間の継続メンタリングを用いた介入により、思春期患児の自己効力感は介入セッション後6か月まで有意に上昇した。また、血糖値の有意な低下が12か月後まで見られた。思春期患児からのメンタリングに対する肯定的な評価にも関わらず、良好なメンタリング関係を長期間継続することは難しく、信頼関係構築のサポートとメンタリング関係のモニタリングを強化する看護支援の必要性が示唆された。