- 著者
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薬袋 秀樹
- 出版者
- 日本図書館協会
- 雑誌
- 図書館雑誌 (ISSN:03854000)
- 巻号頁・発行日
- vol.100, no.8, pp.483-485, 2006-08
2006年4月,文部科学省生涯学習政策局に設けられたこれからの図書館の在り方検討協力者会議から『これからの図書館像 -地域を支える情報拠点をめざして-(報告)』1)が発表された。筆者は協力者会議の主査を務めたことから,この報告書について報告したい。ただし,本稿は筆者の個人的な見解を含むものであることをお断りしておく。この報告書は,2001年の「公立図書館の設置及び運営上の望ましい基準」の発表以後の社会や制度の変化,新しい課題に対応するために,社会教育機関としての図書館がめざすべき方向とそれを実現するための方策について,その全体像を具体的に論じている。「望ましい基準」で論じられていることは除かれているが,主なサービスと経営の考え方について詳しく論じており,その点で文部科学省の戦後の図書館に関する各種の答申や報告の中でも画期的なものと思われる。