著者
薮下 彰啓 川崎 昌博
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.320-325, 2003-08-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
52

氷は地球表面上では雪として, 地球大気中では夜光雲と呼ばれる氷の微粒子として, 宇宙では星間塵として存在している. その表面や内部には様々な分子が吸着しているため光が照射されると光化学反応が起こる. このことは, 直接的に大気環境化学, 宇宙化学に関連している. 北極南極圏の大気汚染, 地球高層大気中のオゾン濃度減少, 地球の生命の発生などにおいては, 氷や雪が関与する光化学反応が重要な役割を果たしている. このような現象を引き起こす新しいタイプの不均一光化学反応の最近の話題について述べる.
著者
薮下 彰啓
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

レーザーイオン化個別粒子質量分析計を用いて、春季に長崎県福江島において大気エアロゾルの観測を行った。本装置はリアルタイムに単一粒子毎の化学組成を分析する事ができる。黄砂期においては、鉛を含む粒子と多環芳香族炭化水素を含む粒子の数が増加した。黄砂期の鉛を含む粒子の多くにははんだや石炭燃焼由来の金属成分が含まれており、非黄砂期の粒子には海塩由来の成分が含まれていた。本装置により、粒子状汚染物質や黄砂粒子の発生源や輸送・変質過程についての知見を得る事ができた。