著者
木下 順弘 蒲原 英伸 藏元 一崇 池田 公英 入江 弘基 笠岡 俊志 浅井 篤
出版者
一般社団法人 日本外傷学会
雑誌
日本外傷学会雑誌 (ISSN:13406264)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.323-326, 2014-10-20 (Released:2014-10-20)
参考文献数
5

【症例】30代女性,妊娠25週.軽乗用車の後部座席に乗車中,他車と衝突し受傷した.来院時意識清明であった.多発外傷の治療中,原因のはっきりしないびまん性脳腫脹をきたした.神経学的所見,平坦脳波より脳死状態と診断した.家族は母体の延命を希望せず,挙児の希望があり,脳死後4日目に帝王切開術にて718gで出生し,まもなく母体は心停止した.世界的にも脳死母からの出生は極めてまれであり,本例の方針決定の経過を報告する.