著者
水車 正 小松原 信雄 藤井 巌
出版者
財団法人日本造船技術センター
雑誌
日本造船技術センター技報 (ISSN:03896161)
巻号頁・発行日
no.12, pp.1-8, 1984-11-15

本艇は千葉市消防局所属の総トン数35トン(旧トン数約59トン)の化学消防艇で,千葉港及び東京湾平水区域において,次の目的で使用するものとして計画された。(i)海上におけるタンカー等の火災及び沿岸の油槽施設,建造物等の火災に対する迅速な消防活動(ii)消防自動車への大量の送水作業(iii)海上における人命救助作業(iv)浸水船等の救難,排水及び曳航作業(v)流出油等の海面処理作業当センターは,千葉市の委託により,昭和57年7月〜9月にわたり基本設計を行うとともに,昭和58年度においてその建造監理を行った。本艇は,横浜ヨット株式会社に落礼後,基本設計をベースに詳細設計が行われ,昭和58年8月25日起工,同年11月30日進水,昭和59年2月16日竣工し,その船名を「まつかぜ」と命名し,現在活躍中である。以下,本艇の概要について紹介する。
著者
青木 治三 伊藤 潔 多田 堯 藤井 巌 山内 常生 伊神 煇
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大学地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.1181-1194, 1970-11

9月9日の岐阜地震は犬山地震観測所の北方約50kmに発生し,数多くの余震が観測された.震源の精度をあげるため予備観測および郡上郡奥明方村奥住小学校における10日間の余震観測を追加した.犬山観測網のDataにより9月20日より11月30日までの余震の分布を調査した.余震は主震の南東約3km地点を中心にとしNW-SE方向にのびる二次元の正規分布で近似できる.標準偏差は推定断層に垂直および平行な方向にそれぞれ2kmおよび4kmであった.この余震の中心は古生層,濃飛流紋岩の境界をなす構造線と一致し,観測された余震は主震に伴った断層がこの構造線により大きな残留歪を生じたことを示していると考えられる.|Since the earthquake of September 9, 1969 occurred at about 50km north of the Inuyama Seismological Observatory, a number of aftershocks were recorded at four recording stations: Inuyama, Sinpukuzi, Takazawasan and Ohira. It was intended immediately after the main shock to conduct a preliminary observation of damage and aftershocks for the estimation of the aftershock region and to find the best complementary recording site for the determination of hypocenters. During the two-day observation beginning Sep. 10, we could not find on the ground surface any sign of an earthquake fault. The observed P-S duration times however suggested that the depths of the aftershocks were very shallow.