著者
高橋 悠太 藤井 純一郎 天方 匡純
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第37回 (2023) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.1O3GS703, 2023 (Released:2023-07-10)

土木分野における特異な物体検知はその多様さに比べてデータが少ない.ドローン河川巡視はドローンにより広大な河川領域を撮影し,一般ごみを含む不法投棄などをAIにより検知することになる.常時飛行でない場合,空撮で捉えられることは少なく,一時的な不法占用等はさらに困難となる.既往の研究において,画角は異なるが地上で撮影された画像を学習データに加えることで学習を改善する効果が確認されているが,地上撮影であっても画像数が要求される.本研究では,学習を改善するデータ補強用の画像をStableDifusionなどの画像生成AIにより生成・学習が改善するか検証を行った.
著者
藤井 純一郎 大久保 順一 緒方 陸 天方 匡純
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
AI・データサイエンス論文集 (ISSN:24359262)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.779-785, 2023 (Released:2023-11-14)
参考文献数
17

ChatGPTをはじめとして,大規模言語モデル (Large Language Model, 以下 LLM) を用いた文章生成モデルの発展が目覚ましい.土木分野においても,LLMを活用した業務効率化が期待されるが,LLMの学習は主にWebで集めた文書を中心としているため,土木分野の専門知識に対しての学習不足が予測され,正確な文章を生成できない懸念がある.そこで,土木分野において正確な文章生成を実現するための基礎的な研究として,本研究ではLLMを土木ドメインに適応することを試みた.正確性の評価手法を提案した上で,LLMの事前学習済み公開モデルと,ファインチューニングによるドメイン適応を行ったモデルで,土木分野に関する文章生成の正確性を評価し,LLMを土木ドメインに適応するための課題について論じた.
著者
髙森 真紀子 大久保 順一 藤井 純一郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
AI・データサイエンス論文集 (ISSN:24359262)
巻号頁・発行日
vol.2, no.J2, pp.113-120, 2021 (Released:2021-11-17)
参考文献数
9

公共空間利活用によるまちづくりが注目される中,都市空間における行動観測のニーズが高まっているが,その解析作業は計測員によるビデオ観測や目視記録に依存しており,膨大な労力を要する.本研究は,歩行者の流動をより簡便,短時間で解析可能とすることを目指し,深層学習による物体検出技術と物体追跡技術を応用し,特に屋外の都市空間を想定した人流解析技術を低コストで開発したものである.三鷹駅北口地域での社会実験におけるビデオデータと人手による人流解析結果をもとに,実務での活用を想定した「メッシュ」や「丸め閾値」プログラムを設定し,AI解析における精度を検証した.結果,人手調査の1/4の解析時間で人流の傾向を概ね正確に把握でき,活用可能性が見いだされるともに,カメラ設置方法や映像のゆがみ補正の必要性など,実務で活用するための課題を明らかにした.
著者
天方 匡純 藤井 純一郎 吉田 龍人
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
AI・データサイエンス論文集 (ISSN:24359262)
巻号頁・発行日
vol.1, no.J1, pp.35-40, 2020-11-11 (Released:2020-11-18)
参考文献数
10

土木技術者の真骨頂は,限られた部分集合の情報から技術体系を作り上げ,十分な機能の施設等を社会に提供することである.ところが,それらの選択的情報は暗黙知になりやすく,社会全体での汎用化や次世代継承を目指す際の障害となる.一方,様々な分野で活用が進むAI(artificial intelligence)の一種である深層学習技術は,従来考えられなかった大量の現場情報を抜き出すことができ,形式知化による作業の効率化・生産性向上に繋がると考えられる.しかし,情報取得精度のみで比較すると深層学習技術が人に及ばないこともある.人主体の従来フローに AIを直接代替させる試みだと,人の成果との違いが問題となりAI導入を遅らせる原因になりそうである.本稿では円滑にAIを導入するための留意点を述べる.