著者
工藤 芳彰 藤原 あゆみ
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.1_46-1_51, 2018-03-31 (Released:2018-04-30)
参考文献数
8

東京都八王子市に伝わる昔話「とんとんむかし」を題材とするボードゲーム型総合学習ツール『とんとんならべ』は、将来のソーシャルデザインの基盤づくりの視点から、小学校中・高学年の「教科以外の学習の時間」の一つである「総合的な学習の時間」に着目し、児童の学習に対する主体性と協同性の向上を支援するために、授業内検証を踏まえて開発したものである。縦横21㎝、高さ5センチほどのかぶせ箱式のパッケージに、読み聞かせ用の「物語シート」、4つ折りの「ゲームボード」、得点となる「お宝チップ」、それを囲み取るための「手札」、高学年児童向けの「オリジナルゲーム制作キット」が含まれる。ゲームプレイには読み聞かせをとおした物語の理解が必要で、中学年児童は物語を拠り所として地域の歴史や文化を学ぶ。高学年児童は「調べ学習」等の成果をオリジナルゲームに変換する作業をとおして、知識の定着と共有を促すとともに、創造性を育む。