著者
鈴木 伸英 工藤 芳彰 宮内 [サトシ]
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.31-40, 2001-03-31
参考文献数
14

本研究は、東京都府中市の大國魂神社の御先拂太鼓を対象として、その実体、保持・運搬用具、演奏方法、太鼓の役割等について検討した。その結果、以下の点が明らかとなった。御先拂太鼓が大型化した要因は、明治初期に祭礼の運営組織を府中四ヵ町に分けたことによって生じた、町内間の対抗心であった。その御先拂太鼓の存在意義は、祭礼の到来を知らせる実用的機能に加え、地域のシンボルであるという社会的役割、さらには音で神輿の道筋を払うという象徴的な機能にある。また、今日、御先拂太鼓が人々に受け入れられている理由として、次の諸要因をあげることができる。ソリッドの木材、麻縄といった伝統的な自然素材を用い、造形美を洗練させたこと。時代・社会の要請に応えて大型化・重量化した太鼓に対応するためにブレーキ付き台車、太鼓を台座から台車に載せ替えるためのクレーンの利用といった用具のシステムをそなえたこと。そうした前提の下で、音の大きさと単純さという根元的な太鼓の魅力を引き出す新しい演奏方法を確立させたことであった。
著者
佐々布 裕季 工藤 芳彰 古屋 繁
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.P03-P03, 2007

本研究は、理系を指向する女子の人数を増加させることを目的に、「理系女子」のイメージの向上に寄与する製品をデザインした。その手順は次のとおりである。まず、文献調査をもとに、憧れの対象としての「理系女子」キャラクタに必要な構成要素とその属性を設定した。次に、フィールドサーベイをおこない、現在の「理系女子」のファッションを分析した。以上の結果をもとに、3人の「理系女子」キャラクタを決定した。そして、それぞれが使用する携帯電話、携帯オーディオ機器、鞄をデザインした。
著者
菊池 司 工藤 芳彰 岡崎 章 木嶋 彰 古屋 繁
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.35-44, 2004 (Released:2008-07-30)
参考文献数
14
被引用文献数
2 1

デザインの対象が「モノ」から「コト」への移行がいわれて久しい昨今,ユーザが製品や提供される環境を利用していくなかでの全体的な経験までを視野に入れた「Experience Design」,つまり経験を提供するデザイン,あるいは経験そのものをデザインの対象とするという視点に立ったデザインの必要性が言われている.しかしながら,「Experience Design」の意味する本質は見えにくく,経験をデザインできるのかという疑問があるのも事実である.そこで本論文では,「Experience Design」という言葉が意味するものは何かを研究事例などを通して探り,新しい領域へと広がっていくデザイン研究,および実践のあり方を検討するものである.
著者
村本 政忠 有賀 義之 古屋 繁 工藤 芳彰
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第55回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.96, 2008 (Released:2008-06-16)

PC周辺機器には,使用にあたり特別な設定が必要ないものと初期設定や環境設定が必要で,設定の際にPCに関する特別な知識が求められるものもある。メーカは,初期設定や環境設定に関する方法をマニュアルやWEBを通して提供しているが,カスタマサポートセンタへと助言を求めてくるということは,それがうまく機能していないことを示唆している。本研究は,サポートセンタの回答データから,設定そのものやその伝え方の特性を抽出することによって,簡単な設定や情報の伝え方をデザインする方向性を抽出しようとするものである。製品の対象は,「無線LANルータ」「ネットワークメディアプレーヤ」である。 回答データから,オペレータが行った,操作手順の誘導の中から,重複する項目を除いた単文をキーセンテンスとして抽出し,それ同士がどのような順で説明されているかを,有向性をもつ関係を示すものと考え,Dematel法で分析した。問い合せ内容と,その問い合せ内容の際に出現するキーセンテンスとの対応関係にその出現頻度を加えたデータをもとに,コレスポンデンス分析を行った。この結果,一般的な知識で行える設定グループと専門的な知識が必要になる設定グループがあることがわかった。一般的な知識が必要な操作に関しては行えるが,ユーザの知識の欠落から専門的な知識が必要になる操作については行うことができない。このため専門的な知識が必要な操作に関してはサポートが必要である。
著者
田場 直也 工藤 芳彰
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.56, pp.P12-P12, 2009

本研究は、八王子の山車文化継承のための教材として、小学教育用の映像コンテンツを制作した。制作にあたっては、「八王子まつり」での南町の山車巡行と、小学教育用の映像コンテンツを調査、および小学校での試写とアンケート調査をおこなった。調査の成果を踏まえ、映像コンテンツを制作した。その内容は、お面の世界から人間界へやってきた「ひょっとこ」と「きつね」が、山車まつりに関して質疑応答するというものである。質疑内容は、小学生と南町関係者の意見を踏まえたものである。今後、制作物を市内小学校に提供していきたいと考えている。
著者
篠崎 広和 工藤 芳彰 古屋 繁 竹末 俊昭 小出 昌二 菊池 司 永見 豊 小幡 真也
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.199-199, 2006

本提案は今年で3回目となる拓殖大学工学部工業デザイン学科と株式会社バッファロー社との産学協同プロジェクトの一部であり、PC周辺機器を対象に新しいユーザ層のための商品展開のあり方やブランド展開について提案したものである。ここでは、バッファロー製品の特徴や強みを生かしつつ新しいブランドアイデンティティを確立するため、コーポレートカラーである赤を基調にデータをつなぐ・ためる=赤モノとし、ターゲット別に3つのブランドを展開した。_丸1_私立小学校に通う子供をターゲットにしたBUFFALO KIDS。_丸2_モテ服世代と呼ばれる20代OLをターゲットにしたBUFFA LOVE。_丸3_エグゼクティブシルバーと呼ばれるおしゃれなおじさんをターゲットにしたBUFFALO SOLIDである。各ブランドにはテイストやイメージをより伝えやすくするため、ゲーム・思い出・チェスといったユーザと関わりがあるもので形成された世界観を設定した。販売場所も従来の量販店ではなく、それぞれのユーザが好むショップで販売することで、PC周辺機器に対する興味の拡大を目指した。
著者
菊池 司 工藤 芳彰 岡崎 章 木嶋 彰 古屋 繁
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.35-44, 2004
被引用文献数
1

デザインの対象が「モノ」から「コト」への移行がいわれて久しい昨今,ユーザが製品や提供される環境を利用していくなかでの全体的な経験までを視野に入れた「Experience Design」,つまり経験を提供するデザイン,あるいは経験そのものをデザインの対象とするという視点に立ったデザインの必要性が言われている.しかしながら,「Experience Design」の意味する本質は見えにくく,経験をデザインできるのかという疑問があるのも事実である.そこで本論文では,「Experience Design」という言葉が意味するものは何かを研究事例などを通して探り,新しい領域へと広がっていくデザイン研究,および実践のあり方を検討するものである.
著者
工藤 芳彰 藤原 あゆみ
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.1_46-1_51, 2018-03-31 (Released:2018-04-30)
参考文献数
8

東京都八王子市に伝わる昔話「とんとんむかし」を題材とするボードゲーム型総合学習ツール『とんとんならべ』は、将来のソーシャルデザインの基盤づくりの視点から、小学校中・高学年の「教科以外の学習の時間」の一つである「総合的な学習の時間」に着目し、児童の学習に対する主体性と協同性の向上を支援するために、授業内検証を踏まえて開発したものである。縦横21㎝、高さ5センチほどのかぶせ箱式のパッケージに、読み聞かせ用の「物語シート」、4つ折りの「ゲームボード」、得点となる「お宝チップ」、それを囲み取るための「手札」、高学年児童向けの「オリジナルゲーム制作キット」が含まれる。ゲームプレイには読み聞かせをとおした物語の理解が必要で、中学年児童は物語を拠り所として地域の歴史や文化を学ぶ。高学年児童は「調べ学習」等の成果をオリジナルゲームに変換する作業をとおして、知識の定着と共有を促すとともに、創造性を育む。
著者
工藤 芳彰 富澤 俊紀
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.193, 2015 (Released:2015-06-11)

本稿は、知的障がい者の歯磨き支援を目的としたアプリケーション「いっしょにはみがき」の開発について報告するものである。開発にあたり、筆者らは人間中心設計の手法を用い、ユーザビリティやユーザエクスペリエンスを高め、実用的なアプリケーションを制作することを目指した。具体的には、スモールステップ法と強化刺激を用い、複数の支援施設における検証実験に取り組んだ。結果として、開発したアプリケーションは軽度から中等度の知的障害者において自発的な歯磨き行為を誘発することを確認した。また、歯磨き行為に対する関心を促した例も確認した。
著者
工藤 芳彰 古屋 繁
出版者
拓殖大学
雑誌
拓殖大学理工学研究報告 (ISSN:09198253)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.75-76, 2006-10-20

This study investigated informatization of design and editorial type. Editorial type means type of editting that provides character of media. Editor makes a distinctive feature of media by combination of the types. We think user's idea of design and lifestyle is based on the conbination. The research methods are the following. The first, we tried to arrange of the stream of information about informatization of design. Second, we investigated some magazines as typical media focused into design, and editors of some select shops. Third, we investigated information about design in some famous net stores. Henceforth, We will try to consider about editorial type.
著者
工藤 芳彰 宮内 [サトシ]
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.46, pp.198-199, 1999-10-15

This paper investigates a viewpoint of The Studio about Japanese fine art and craft on exhibit in the Japan-British Exhibition(191O)as foundation work of a study on relationship Western design movements and Japan until the end of the 19c to the beginnig of the 20c. There were 6 articles about painting, ceramic art, textiles and embroidery, wood and ivory carving, metal work, and cloisonne ware. There were various levels from antique to craft for export in Japanese exhibits of the Japan-British Exhibition. Above all, The Studio payed attention to the modification in Japanese contemporary fine art and arts and crafts for the influence of West and the Japanese attitude on the modification.
著者
石川 友理 工藤 芳彰
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.56, pp.336-337, 2009-06-20

We can confirm many festivals of Dashi, means festival car, in Saitama. This study produced board game as the teaching materials to convey this various Dashi culture to the next era. In addition, We wrestled with the investigation of Dashi Festival and the table game made in Germany on producing it. On the basis of analysis of the investigation, We produced board game. The contents are common denominators of the Dashi Festival; the person who pulls it, and dedication liquor, a cruise, a turn. As a result of inspection, this game got a favorable reception from elementary school upper grades child to an adult. Therefore, we think even the present conditions to be can expect a constant education effect.