著者
矢木 亮吉 宮地 茂 平松 亮 川端 信司 藤城 高広 黒岩 輝壮 谷口 博克 山田 誠 山田 佳孝 大西 宏之 山下 太郎 松原 功明 黒岩 敏彦
出版者
特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会
雑誌
脳血管内治療 (ISSN:24239119)
巻号頁・発行日
pp.oa.2017-0008, (Released:2018-01-29)
参考文献数
13

【目的】今回われわれは,本邦で承認されている脳血栓回収療法機器それぞれにおける医療費およびその治療成績を比較するために,患者毎の保険請求額,手技料,デバイス料と治療成績を集計し検証した.【方法】本学および関連施設にて「K178-4 経皮的脳血栓回収術30,230 点」を算定した患者126 例を対象とし, Penumbra system を使用した症例を「P 群」,Stent-Retriever を使用した症例を「S 群」,両デバイスを併用した症例を「P+S 群」とし,各症例の入院にかかる総保険請求額,手術にかかる手技料およびデバイス料,治療成績について比較した.【結果】全体では費用に対する治療成績に優劣は認めなかったが,後方循環病変ではS 群でmodified Rankin Scale (mRS)0-2が高率であり,1 日平均請求額が低額であった.前方循環病変ではP 群でmRS0-2 が高率であり,1 日平均請求額および総保険請求額が低額であった.【結論】急性期血栓回収術施行症例では,デバイス料がS 群で最も安価であった.また閉塞部位が前方循環ではP 群,後方循環ではS 群が治療成績良好で費用も低額であり,良好な治療と判断した.