著者
高木 加代子 豊田 正武 藤山 由起 斎藤 行生
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.67-73_1, 1990-02-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
9
被引用文献数
19 30

ジャガイモ中の, α-チャコニン (CHA), α-ソラニン (SOL) の煮沸, 電子レンジ加熱, フライによる減少を調べた. 両アルカロイドは5%酢酸溶液で抽出し, Seppak C18 で精製した後, 高速液体クロマトグラフィーで定量を行った. CHA及びSOL含量は, 煮沸しても減少が見られず, 電子レンジ加熱で若干の減少が認められた. フライの場合は油の温度による影響が大きく, 150°では両アルカロイドの減少が見られず, 170°では減少の見られる場合があったが, 変動が非常に大きく有意とは認められなかった. 210°ではCHAで 35.1%, SOLで40.3%の減少が認められた. 一般家庭における調理の加熱条件ではCHA及びSOLは大部分残存し, 除去効果は期待できないことが確認された.