著者
藤岡 祥子 降旗 建治 柳沢 武三郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響
巻号頁・発行日
vol.98, no.247, pp.9-16, 1998-08-27
参考文献数
6
被引用文献数
13

超音波振動子を用いて, 骨伝導聴取を行うと, 20kHz以上の超音波領域の音を明瞭に聞き取ることが可能である。本論文では, 最初に, 乳様突起部位に20kHzから66kHzまでの骨導振動を加えたときの可聴範囲及び40kHzにおける頭部の各部位における最小可聴値を駆動点の加速度で検討している。次に, 外耳道に挿入された耳栓と鼓膜とに囲まれた管状小容積腔内の音圧を基準にしている新しいオージオメータを用いて, 骨導振動子で乳様突起部位に振動を加えたときの最小可聴値を検討している。この結果から, 超音波領域における骨伝導の可聴範囲は27dB前後であること, 40kHzにおける最小可聴値は上記腔内音圧レベルで46dB前後dあることを明らかにしている。
著者
降旗 建治 藤岡 祥子 柳沢 武三郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.259, pp.15-22, 1999-08-26
参考文献数
19

前報では, 超音波振動子を用いて, 骨伝導聴取を行うと, 超音波領域における骨伝導の可聴範囲は27dB前後であることを明らかにした。引き続き, 本報では, 骨導経由で与えられた超音波に対する聴覚特性を明らかにするために, 最初に超音波骨導音の音の高さ, 次に超音波骨導音によるマスキング, 更に気導音および骨導音による耳音響放射に関して実験的に検討している。これら骨導で与えられた超音波に対する諸特性の結果から, 超音波に応答する部位が蝸牛内に存在する可能性が示唆された。