著者
松井 正之 内山 広樹 藤川 裕晃
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.139-145, 2005-06-15
被引用文献数
3 2

オンデマンドSCM環境下では,チェーンにおける在庫の適正水準をオンラインに管理することが,過剰在庫で売れ残りを抱えることや品切れの機会損失を減らすために必要である.特にPCなどの短サイクル製品においては,部品や製品の発注が多段階に影響し,生産・流通段階の各拠点で把握できる在庫変動をリアルタイムに捉えて迅速に対応することが必要である.それには,需給系列の変動を迅速に検出する機能が必要である.本研究では流動数図表上で,新聞売り子問題により設定された移動基準在庫量(インディケータ)を,累積和管理図のVマスク法で継続的にチェックしてアクション(投入)を行う管理法を開発した.この開発は,PCを流通しているA社の倉庫を対象に行われ,約42%の累積在庫削減が得られた.