著者
藤本 亜弓 井上 容子
出版者
一般社団法人 照明学会
雑誌
照明学会 全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.41, pp.30, 2008

犯罪抑止効果に期待して青色防犯灯が普及しつつあるが、犯罪対策上重要な防犯カメラ画像への影響が懸念される。そこで本研究では、青色光が防犯カメラ画像の見えに与える影響を画像評価実験により検討する。実験では、白光と青光の下で撮影された画像をモニターに表示し、色、文字、人物の分りやすさを青年女子36名の被験者に評価させた。色度測定の結果、白光よりも青光で色度の変化が大きく、このことが色の判別の結果に反映されている。輝度測定の結果、0.3 lx標準感度の条件では青光の方が輝度対比が大きいが、その他の条件では光色による差はなく、文字の判別の結果に反映されている。人物の判別は標準・低照度の条件では青光が、高感度・高照度の条件では白光の方が評価が高い。このように青光で見やすい場合が多いのは、使用したカメラの光感度ピークが暗所視の比視感度曲線に近いものであった事に依存しており、光源の分光分布とカメラの光感度ピークによって結果は異なると考えられる。また、評価結果は再生画像の輝度、色度条件と概ね対応しているため、再生画像の物理量を予測する事ができれば見え方は推定できると考える。