著者
吉井 二郎 藤本 浩平 山口 達也
出版者
高知県立森林技術センター
雑誌
高知県立森林技術センター研究報告 (ISSN:13486004)
巻号頁・発行日
no.30, pp.45-54, 2005-03

高知県東部のスギ・ヒノキ高齢林の立地環境、林分構造、林床植生の調査を行った。立地環境は、土壌型でスギ・ヒノキともBD型ないしBD(d)型がBB型やrBA型に比べて成長が良い傾向がみられた。林分構造は、スギ・ヒノキとも胸高直径・樹高階分布にバラツキがみられ、特にスギの胸高直径のバラツキが非常に大きかった。また、スギでは後生枝、ヒノキでは枯れ枝が付いているものが多くみられた。林床植生は、高齢林と壮齢林では「種の豊富さ」に差はみられないが、「種多様度指数」「均等度指数」で違いがみられ、高齢林は壮齢林に比べて豊かな植生を構成していた。
著者
藤本 浩平 市原 孝志 伊東 祐道
出版者
高知県立森林技術センター
雑誌
高知県立森林技術センター研究報告 (ISSN:13486004)
巻号頁・発行日
no.30, pp.55-67, 2005-03

造林用針葉樹および有用広葉樹を対象としてバイオテクノロジーを用いた保存と増殖技術について検討を行った。スギでは、低温(10℃)で培養することで1継代期間をのばす事ができた。ヒノキの培養法を検討したところ、難易度にクローン間差がみられた。ミツマタの長期培養を検討したところ、継代培養による長期保存が可能であった。長期の継代培養された培養物であっても、発根率には著しい低下はみられなかった。ケヤキの初代培養法を検討したところ、シュート発生率にクローン間差がみられた。ミズメの組織培養法を検討したところ、増殖が可能で発根および順化も比較的容易であったが、成長にクローン間差がみられた。また、継代培養による長期保存が可能であった。組織培養が容易な樹種と困難な樹種があり、クローン間で培養の難易度に差がみられるが、ミツマ夕、ミズメでは継代培養による長期保存や、培養物からの幼植物体の再生が可能であった。