著者
梶本 秀樹 藤村 裕一
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2023, no.2, pp.9-16, 2023-07-21 (Released:2023-07-21)

高校生の不適応行動に関する要因は複雑で,改善が困難である.しかし,素手素足のトイレ掃除を行う事によって非認知能力をより効果的に育成する変容要因と非認知能力が育成されていることが明らかとなった.さらに,素手素足のトイレ掃除を繰り返し行う事によって,どのように育成されていくのかを明らかにするために,不適応行動を引き起こす生徒のエピソード記録と半構造化質問紙調査を分析し,その育成要因を構造的に明らかにした.
著者
墓本 晃一 藤村 裕一
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.1, pp.121-128, 2021 (Released:2021-10-24)

高校生に対し,性の多様性に関して集団面接を行ったところ,多様性を包摂する社会の創出に向けた取組に肯定的であり,一見すると寛容に見えるものの,当事者意識や想像力の欠如等から,無言の抑圧や無関心さが潜んでいることが示唆された.さらに,同性愛やトランスジェンダー,なかでも,トランスジェンダー女性へのフォビア(嫌悪)が,性別を問わず強く示されるなど,無意識に内在化しているフォビアの実態が明らかとなった.
著者
炭村 紀子 藤村 裕一
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.2, pp.112-119, 2021-07-03 (Released:2021-07-05)

GIGAスクール構想が始まり,学校現場でのICT活用支援の重要性は高まっている.支援人材として,ICT支援員,GIGAスクールサポーターなどの役割の違いは明確であるが,現場では理解されておらず,多様な支援を求めている.実際に教職員が求める具体的支援に関する研究は不十分である.そこでICT支援の実態調査と実証研究を通じ,その問題点やあり方を検討した結果,授業支援を中心とした「ICT活用教育支援員」への制度変更の必要性が示唆された.
著者
勝見 慶子 田村 隆宏 藤村 裕一
出版者
日本教育メディア学会
雑誌
教育メディア研究 (ISSN:13409352)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.1-11, 2019 (Released:2019-04-04)
参考文献数
16

本研究の目的は,幼児の保護者を対象として,幼児のICT機器利用に対する認識に及ぼすICT機器利用の否定的側面や肯定的側面に関する講習の効果を検討することである。調査対象者は認定こども園の3,4,5歳児の保護者241人で,講習の前後に,幼児に対してICT機器利用にルールが必要か,幼児にICT機器の操作方法やメディアの種類等を教える必要があるか,幼児にICT機器利用に際してのルールや注意事項を教える必要があるか,に関する認識を問うた。その結果,いずれの講習も,これらの認識を高めることが明らかとなった。加えて,子どもの年齢が,ルールが必要という認識に影響したり,ICT機器が子どもにとって役立つという保護者の意識が,教育が必要という認識に影響したりするなど,いくつかの要因が講習の効果に部分的に影響している側面も明らかにされた。これらの結果は,幼児のICT機器利用に際して,保護者に対する情報教育の重要性を示唆している。