著者
若杉 晃介 藤森 新作
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.73, no.9, pp.785-788,a1, 2005-09-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
5
被引用文献数
3

農村の生物多様性低下の要因に乾田化の増加が挙げられている。そこで, 乾田化が水田に生息するトンボ幼虫の生息環境に与える影響を調べ, それに対するビオトープ整備の指針と対策を検討した。通年湛水を行った水田では一年中生息が確認されたが, 非灌漑期に用水供給がないと多くのトンボ種が採取されなくなった。中でも乾燥に弱いアオモンイトトンボ幼虫は湛水深がなくなってから砂質土で4日, 重粘土で8日, 関東ロームで23日後に死滅した。また, 土壌硬度を測定した結果, 土壌によってはコンバインの走行に必要な硬度を得た時も生息していたことから一般的な水稲栽培管理とトンボの保全が両立する可能性が示唆された。
著者
若杉 晃介 藤森 新作
出版者
農業・食品産業技術総合研究機構農村工学研究所
雑誌
農村工学研究所技報 (ISSN:18823289)
巻号頁・発行日
no.208, pp.67-74, 2008-03

平成19年(2007年)3月25日9:42頃に石川県能登半島沖を震源としたM6.9の地震により、輪島市、七尾市、穴水町では震度6強を観測し大きな被害が出た。農地については不陸や亀裂の発生、畦畔の崩壊、用水路では砂の流入、目地外れ等が発生した。本地域は農業が基幹産業であることから、早急な補修工事を必要とした。本報告では、輪島市および穴水町における、水田の被災状況と復旧状況、及び調査地区の自然的条件や水田の整備水準、区画形状等と不陸や亀裂の発生状況の関係を考察した。なお、本調査は農林水産省農村振興局防災課からの派遣要請により平成19年4月17〜19日に実施し、水稲の作付け時期を迎えた平成19年5月16〜19日に追加調査を行った。