- 著者
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若杉 晃介
原口 暢朗
- 出版者
- 土壌物理学会
- 雑誌
- 土壌の物理性 (ISSN:03876012)
- 巻号頁・発行日
- vol.121, pp.35-42, 2012 (Released:2021-08-26)
- 参考文献数
- 2
- 被引用文献数
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東京電力福島第1原発の事故に伴い,広範囲にわたる地域が放射性物質により汚染され,土壌中の放射性物質濃度が高い農地では栽培が制限されている.これらの農地において放射性物質は,表層 2~3 cmに集積していることから,この土壌層の選択的な除去は,確実な除染効果が期待できる.一方,一般的な建設機械による従前の操作では,剥ぎ取り厚さの制御が困難であり,処理土量の増加や施工費の増大,取り残しの発生など,多くの問題が懸念されている.そこで,土壌固化剤を用いて汚染土壌層を固化し,油圧ショベルの操作方法やバケットを改良することで,剥ぎ取り厚さを表層から2~3cm に制御でき,かつ安全・確実に剥ぎ取る工法を開発した.