著者
藤田 富士男
出版者
埼玉短期大学
雑誌
学校法人佐藤栄学園埼玉短期大学研究紀要 (ISSN:13416006)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.128-118, 2005-03-31

江戸川乱歩は数々の推理小説を世に送り出したわけだが、なかでも出色のキャラクターは明智小五郎である。ダンディーな着こなしと見事な変装で、ある時は、一人で美人怪盗「黒蜥蝪」に対抗したり、またある時は、少年探偵団を率いて怪人二十面相と対峙する。その明智も登場したころの容貌は野暮な高等遊民といったものだった。
著者
藤田 富士男
出版者
埼玉短期大学
雑誌
学校法人佐藤栄学園埼玉短期大学研究紀要 (ISSN:13416006)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.A21-A28, 1994-03-20

黒瀬こまは、熊本女学校、福岡英和女学校を経て、一九〇五年一二月に青山女学院、英文専門科へ編入する。そこへ友人から渡米の誘いを受け、手続きのため帰省することになる。熊本には、援助者、木村萬作の甥である木村秀雄がアメリカから帰国していた。こまの恋慕の情は燃えあがり、周囲の反村を押して一緒になる。木村駒子と名のるようになり、彼女の眼は、日本社会、世界へと次第に拡がり始めていく。
著者
藤田 富士男
出版者
埼玉短期大学
雑誌
学校法人佐藤栄学園埼玉短期大学紀要 (ISSN:13416006)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.117-124, 1993-03-20

木村駒子(1887-1980)は,浅草で名を馳せた女優として,あるいは,新真婦人会の「新しき女」として知られているところであるが,舞踊家や宗教家の側面にはまだまだ筆が及んでいない。ましてや夫や子供とともに8年間を滞在したアメリカ時代になると殆ど触れられていない。それらの全生涯を明らかにする手がかりとして,まずは,熊本女学校時代を中心に,これまでの誤述のいくつかに触れてみた。