著者
藤田 沙南 村上 陽子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.58, 2014 (Released:2014-07-10)

目的 米は、我が国において唯一自給可能な穀物である。しかし、食の多様化や米から小麦粉食品への移行拡大等により、米の生産量・消費量はともに減少している。農林水産省では米の利用拡大を目指し、小麦粉の代替として、パンや麺類などへの米粉の利用を推進している。米粉パンについては様々な研究が行われているが、製パン性の低さが課題として挙げられる。そこで本研究では、添加する米の形状として米飯に着目し、米の種類が製パン性に及ぼす影響について検討した。 方法 米飯パン用の米は、中アミロース米5品種(キヌヒカリ,コシヒカリ,ヒノヒカリ,ハツシモ,ササニシキ)、低アミロース米2品種(ミルキークイーン,おぼろづき)とし、いずれも精白米を用いた。食パンは中種法にて調整した。小麦粉を米飯で置換したものを米飯パンとし、小麦粉パンの乾物重量として、10~50%を置換した。加水量は、炊飯米の吸水量と合わせて180gとした。製パン性(比容積、物理特性、色彩構成)に関して得られたデータは、分散分析法(Tukey法)により有意差を検討した。 結果 米飯を10~50%まで添加した場合の比容積は、米飯パンにおいていずれの品種も、米の添加量の増加に伴い比容積が低下することが示唆された。また、低アミロース米は同置換の場合、中アミロース米よりも高い比容積であった。