著者
藤田 温志 永易 裕樹
出版者
一般社団法人 日本顎関節学会
雑誌
日本顎関節学会雑誌 (ISSN:09153004)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.255-260, 2018-12-20 (Released:2019-02-04)
参考文献数
9

今回,脳神経外科手術後に生じる開口障害の臨床的特性について検討した。札幌禎心会病院脳神経外科において手術を施行した114例を対象として,手術アプローチ,術前の開口量,術直後の開口量の変化,開口訓練後の開口量の変化,開口訓練期間について解析した。術後の開口量の変化は術前と術後の比で表し,開口訓練後の開口量の変化は術前と開口訓練後の比で表した。待機手術を受けた114例について側頭部に切開を加える手術群(以下,側頭切開群:前頭側頭開頭法63例,側頭開頭法2例,前頭側頭開頭法+頸部切開3例,計68例),側頭部に切開を加えない手術群(以下,非側頭切開群:前頭開頭法25例,外側後頭下開頭法17例,頸部切開4例,計46例)の2群に分けて,術直後からの開口量の変化,開口訓練後の開口量の変化,開口訓練期間について比較検討を行った。その結果,術直後の開口量の変化は,側頭切開群が非側頭切開群に比較して有意に減少していた。開口訓練後の開口量の変化は,側頭切開群が非側頭切開群に比較して有意に低下していた。開口訓練期間は,側頭切開群が非側頭切開群に比較して有意に長かった。検討の結果,脳神経外科手術によって開口障害が生じる可能性があり,なかでも側頭部に切開を加える手術アプローチにおいて開口障害が増悪した。
著者
藤田 温志 新谷 悟 菊池 雄一
出版者
公益社団法人 日本口腔インプラント学会
雑誌
日本口腔インプラント学会誌 (ISSN:09146695)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.476-480, 2012-09-30 (Released:2013-12-02)
参考文献数
15

Though dental implant treatment is mainly intended for functional improvement of disorders in the stomatognathic system resulting from missing teeth, it sometimes leads to unpredictable neurological symptoms in patients. We report two cases of atypical orofacial pain following dental implant placement. The patients were two women aged 50 and 65 years old. Neither patient had established a rapport with the dentist who performed the dental implantation for them. The patients were treated by administration of paroxetine hydrochloride hydrate and milnacipran hydrochloride, in consultation with the physician. We must be conscious of the onset of orofacial pain in dental implant treatment.