著者
藤田 直毅 西村 健士 島津 秀雄
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.35-36, 1997-03-12

ベクトル空間法は, 文書内の単語の出現頻度などを基に文書をあるベクトル空間の一点に対応させ, 対応する点と点との距離に基づいて文書の検索を行なう手法で, 1960年代から実験されてきた SMART が本手法の適用例として有名である. SMART の応用例は, USENET 上の FAQ を対象とした検索システムFAQ Finder が知られている. ベクトル空間法の特徴としては, 表面的ではあるが意味的な検索ができること, 対象文書中に構文解析ができないような文や図表を含んでいても動作する頑強性を備えていること等が挙げられる. 本稿では, 1本手法をヘルプデスクにおける支援システム, 特に電子メールを利用して顧客対応を行うシステムヘ適用した事例を紹介する. はじめに, ヘルプデスクで日々生成される文書, つまり, 問い合わせとその回答との組の Q & A 事例を対象とする検索の問題点について整理し, 次に, 実際に本手法を適用して開発した類似文書検索システムを紹介する.