著者
池邉亮志 河野 泉 和氣 早苗 上窪真一 岩沢 透 西村 健士
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.61, pp.49-56, 2000-07-06
参考文献数
7
被引用文献数
1

感情表現を含んだ音声対話によって、擬人化エージェントとの対話を楽しみながら音楽検索を行うEDS (Emotional dialogue system)を開発した。EDSでは、エージェントが提案をするときの感情(提案感情)として3種類、利用者の応答に対する反応の感情(反応感情)として11種類を定義し、これらの感情を表現するために、せりふ、表情、動作、感情表現音、の4つのメディアを利用した。エージェントの表現した感情が適切であるか、また、これらのメディアによる感情表現で、利用者に製作者の意図したエージェントの感情を伝えることが可能かを評価した結果、感情モデル、表現メディアともに妥当な設計ができたとの結論を得た。さらに、感情が対話の進行に影響を与え、利用者を誘導する可能性を見出した。This paper describes an emotional dialogue system, EDS, in which aminated CG character communicates with users via emotional conversation, and assists users in retrieving databases. We defined three kinds of emotion for character's proposal, and eleven kinds of emotion for character's reaction to user's answer, and to express these emotions, we use four media: words, facial expressions, movements, and nonverbal sounds. We carried out an experiment to evaluate whether the character's emotion are suitable for the situation, and are able to taken roughly following the designer's policy. As a result, we confirm the emotion model is designed pretty well and the emotional expressions are made properly. Furthermore, we find that the emotional expression can influence users decision.
著者
河野 泉 池邉亮志 和氣 早苗 上窪真一 岩沢 透 西村 健士
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.61, pp.43-48, 2000-07-06
参考文献数
5

利用者と擬人化エージェントが感情豊かに音声対話を行い、音楽検索を行うEDS (Emotional dialogue system)を開発した。EDSでは、エージェント主導で検索物件を絞り込んでいく提案指示型対話方式を使っており、本対話状況下の利用者とエージェントの感情をモデル化した。利用者の感情は肯定・否定に興奮の程度を加えて定義し、エージェントの感情は、提案内容に対する自信度と利用者の感情の組み合わせで定義した。EDSで表現する11種類の感情の生成モデルは、基本感情の組み合わせで感情を説明した従来研究とも矛盾なく説明できた。This paper describes an emotional dialogue system in which an animated character communicates with users via emotional conversation and assists users in retrieving databases. This system runs on a "suggest-modify" dialogue model suitable for speech recognition. We defined the emotion model of the character and user in the suggest-modify dialogue. The user's emotions are defined by the level of the excitement in his/her positive or negative answers. The character' s emotions are defined by the confidence level of suggested object and the user' s emotions. The character's emotion model is consistent with the previous studies on the classification of the emotions.
著者
藤田 直毅 西村 健士 島津 秀雄
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.35-36, 1997-03-12

ベクトル空間法は, 文書内の単語の出現頻度などを基に文書をあるベクトル空間の一点に対応させ, 対応する点と点との距離に基づいて文書の検索を行なう手法で, 1960年代から実験されてきた SMART が本手法の適用例として有名である. SMART の応用例は, USENET 上の FAQ を対象とした検索システムFAQ Finder が知られている. ベクトル空間法の特徴としては, 表面的ではあるが意味的な検索ができること, 対象文書中に構文解析ができないような文や図表を含んでいても動作する頑強性を備えていること等が挙げられる. 本稿では, 1本手法をヘルプデスクにおける支援システム, 特に電子メールを利用して顧客対応を行うシステムヘ適用した事例を紹介する. はじめに, ヘルプデスクで日々生成される文書, つまり, 問い合わせとその回答との組の Q & A 事例を対象とする検索の問題点について整理し, 次に, 実際に本手法を適用して開発した類似文書検索システムを紹介する.
著者
西村 健士 島津 秀雄
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.45, pp.265-266, 1992-09-28

われわれは、科学技術論文中に記述されている種々の情報 : 分野の課題、研究手法、新規性、応用のヒントなど(これらを"主題"と呼ぶことにする)を予め設定しておき、各主題が論文のどの部分に書かれているか自動的に判定し、節のタイトルと各主題とをメニューとして提示する要約システムを提案した。同システムでは、読み手がメニューの一項目を選択すると、その主題に対応する原文部分が反転表示される。[figure]図1のシステムを構築するに当たっては、「情報処理学会第12回全国大会講演論文集3」中の論文100件(以降、題材Aと呼ぶ)の序節と最終節を対象に、主題の分類作業と主題自動認識手法の検討を行なった。その結果、「以下に手順を説明する」など、主題の記述範囲を明示的に示す表現("キー・センテンス"と呼ぶ)を集中的に解析するのが有効であることを報告した. 図2にシステムの主題認識部の処理フローを示す。図2において、 表現パターンの照合は形態素解析後に文節に付与された各種属性(主に主題表現や主述語の自立語概念)をもとに行なわれる。題材A論文は情報工学分野に限られていた。本稿では、1. 主題分類とその論文中での出現パターン2. 主題分類認識におけるキー・センテンス利用の有効性の2つに関して本手法の分野移行性を評価したので報告する。新たな題材として、「日本機械学会論文集58巻551号」(1992-7)のA編、B編、C編のそれぞれから5件(以降、題材Bと呼ぶ)、「応用物理第6上巻」(1992)の第1号から第7号までの「研究紹介」欄から15件(以降、題材Cと呼ぶ)、計30件の論文を無作為に抽出した。題材C中には、最新研究成果の発表を目的とするものの他に、最近の技術動向の概説記事も含まれている。以下、序節と最終節に分けて検討結果を説明する。