著者
坊野 聡子 清水 康行 黒木 幹男 藤田 睦博 吉田 義一
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.656, pp.61-72, 2000-08-21 (Released:2010-08-24)
参考文献数
13

本研究は土砂輸送を伴う沖積地河川の中流部にダムが建設された場合の土砂輸送環境の変化を検討したものである. 北海道の沙流川河口部から約20km地点に建設された二風谷ダムを例として, その貯水池を含む上下流約30km区間の出水時の連続土砂観測, 河床形状および河床材料の調査, および流れと流砂・河床変動の数値計算モデルなどを用いてダムを含む河川の土砂輸送環境の実態を定量的に明らかにした. この結果, ダム上流, 貯水池, ダム下流の河川における土砂の収支が質的・量的に明らかにされ, ダムおよび河川の長期的な維持管理対して極めて有効な知見を得ることが出来た.
著者
名倉 秀子 藤田 睦
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.29, 2017

【目的】平成24,25年度特別研究「次世代に伝え次ぐ日本の家庭料理」に基づき,昭和30~40年頃の家庭料理を含めた食生活の様子,家庭料理を聞き書き調査し,次世代に伝え継ぐ家庭料理における間食の特徴を検討した。<br />【方法】栃木県内の那須野ヶ原,日光山間,両毛山地,渡良瀬流域,鬼怒川流域2か所の全6地域について,家庭の食事作りに係わってきた19名を対象に面接調査を行った。対象者はその地域に30年以上居住している60歳以上とし,地域での暮らしと食生活の特徴と概要,印象に残っている食と暮らし,伝え継ぎたい家庭の料理を聞き書き調査した。その内容から,間食に関係する料理を抽出して,特徴をまとめた。<br />【結果】昭和30年~40年頃における栃木県内の農家数は約125,000戸,昭和16年~平成27年の農林センサスにおいて最も農家戸数の多い期間で,現在の2.3倍であった。調査対象者も農家(自給的農家を含む)であるため,間食の位置づけは農作業の空腹を満たす小昼飯(こじはん,こじゅはん)であった。料理では,芋類のさといもを「いも串」,じゃがいもを「いもフライ」,さつまいもを「かんそう芋」,「ふかし芋」,米類のもちを「揚げもち,のりもち,豆餅」,もち米とうるち米を使用して「かんごろし」,小麦類の「炭酸饅頭」などが挙げられた。芋類,小麦類,米類の他にトウモロコシを茹でるかまたは蒸したり,「そばがき」や「甘酒」などに加工するなど,収穫された農産物や屋敷回りにある生柿,干し柿などを間食に利用していることが明らかになった。また,お茶と一緒にぬか漬け,たくあん漬けなどの漬物(こうこ)を一緒に食べている事が特徴として挙げられた。