- 著者
-
吉田 義一
- 出版者
- The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
- 雑誌
- 音声言語医学 (ISSN:00302813)
- 巻号頁・発行日
- vol.41, no.2, pp.95-110, 2000-04-20 (Released:2010-06-22)
- 参考文献数
- 112
- 被引用文献数
-
1
発声, 嚥下を司る疑核について, その運動ニューロンの局在, 細胞構築, 疑核への投射, 樹状突起展開を著者らの研究成績と関連文献を紹介した.研究は一貫してネコで形態学的に行われた.疑核は大きく3つの群に分けられ, その細胞柱は上オリーブ核尾側端から下オリーブ核尾側端の高さの間に存在した.吻側1/6は細胞密度は粗で茎突咽頭筋支配ニューロンがあり, 吻側半で中部2/6は密なる部で咽頭収縮筋, 食道筋, 前筋, 中程に口蓋帆挙筋, 尾側半3/6は粗で反回神経支配の4筋のものが認められ体部位局在, 分節的支配があった.疑核へは反対側の疑核, 両側の孤束核, 同側の腕傍核, 両側の中脳中心灰白質から直接投射がみられた.各咽頭収縮筋, 頸部食道筋, 各内喉頭筋支配運動ニューロンの樹状突起展開は各々上位中枢からの情報を受けるべく関連介在ニューロンに向っていて機能を反映しているのが伺えた.