著者
藪 浩
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.16, no.11, pp.525-533, 2016 (Released:2019-02-01)
参考文献数
22

ムール貝の接着タンパク中に含まれるカテコール基は多様な材料表面と相互作用することで高い接着性を示す。また,カテコール基はフェノール性水酸基を持つため,無機イオンを還元する還元剤としても働く。近年このユニークな特徴を利用して,多様な材料に接着する高分子材料が開発されている。本稿では,筆者らが合成しているカテコール基含有両親媒性ランダムおよびブロック共重合体の合成と,その接着,表面改質,無機ナノ粒子合成のための還元剤としての応用について紹介する。