著者
小久保 秀之 蛭川 立 清水 武 根本 泰行
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, 2011

意識が微小スケールの確率現象に特異な影響を与えるといわれており、その作用を研究する装置として乱数発生器(RNG)がよく使われている。しかし、乱数発生器がどのようにして特異な作用を検出しているのか、どのように実験すれば効率的なのかなど、不明な点も多い。このワークショップでは、次の3点を中心に、乱数発生器を用いた測定系の問題を討論する。1) これまで波動関数は直接測定できないとされていたが、2011年、カナダのグループの実験によって波動関数の直接測定が可能であることが実証された。これは従来の波動関数の解釈に変更をもたらすだろうか? また、RNGの実験結果を意識の量子的な作用で解釈しようとする試みに、どのような影響があるだろうか?2) RNGの装置本体、あるいはデータ処理の最初期において、XOR処理が行われることが多い。この処理を行うと乱数が「なまった状態」になるため、検出器としてのRNGの性能が低まることが懸念されている。XOR処理は本当に必要なのだろうか? XOR処理をせずとも実験が可能だろうか?3) 近年、実験における距離や方向の重要性が認識されつつある。たとえば、地球意識計画(GCP)は第1期の研究として、地球規模のスケールの現象の研究を行っていたが、第2期では、やや到達距離の短い、地域的な影響を研究している。また、生体センサを使った非接触ヒーリングの研究では、ヒーリング時の人体の近傍(2m程度の範囲)に波型のポテンシャル分布が生じることがわかっている。では、10~数100m規模のスケールで実施されるフィールドRNG実験は、距離や方向の問題をどう考えればよいだろうか?