著者
小西 康仁 植村 隆志 西 葉月 小河原 慶太
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.238_1, 2017

<p> リオデジャネイロで行われた第31回オリンピック競技大会の男子体操競技において、日本は団体総合優勝、個人総合優勝という素晴らしい成績をおさめた。しかし、前年の世界体操競技選手権大会で好成績を残し、メダルの期待が高まっていた種目別鉄棒においては、決勝進出を果たすことができなかった。そこで本研究は、種目別鉄棒における上位選手の演技構成が、世界的にどのような傾向であるか明らかにすることを目的とした。調査の対象を、2013年から2016年までに行われた世界体操競技選手権大会とオリンピック競技大会の種目別鉄棒における上位3名とした。各大会の映像から公益財団法人日本体操協会公認1種審判員免許を有する審判員がDスコアとEスコア、組み合わせ加点、決定点、手放し技の難度点などを算出し、各得点の推移と演技構成の傾向について分析した。その結果、DスコアとEスコアが年々低下しており、それに伴い決定点も僅かながら低下している傾向がみられた。しかし、手放し技の難度点については、2015年から2016年にかけて得点が高くなっていた。このことから、種目別上位選手は、高難度の手放し技を演技構成に積極的に取り入れている傾向が明らかになった。</p>