著者
西口 博憲 後藤 英介 坂田 典史
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.210-213, 2013-08-31 (Released:2016-01-26)
参考文献数
11

高齢者の急性呼吸不全の管理におけるNPPV(Noninvasive Positive Pressure Ventilation)の有用性,成否の予測因子を検討するため,NPPVを行った80歳以上の31症例を後ろ向きに検討した.高齢者においても,慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease: COPD)急性増悪や心原性肺水腫では高い成功率を示し,基礎疾患の重要性が示唆された.臨床的な数値パラメーターの検討では,P/F ratio,SAPS (Simplified Acute Physiology Score)-Ⅱなどの一般的指標は有用性が低かったのに対し,血清アルブミン値がNPPV成功例で失敗群に比較して有意に高値であり,高齢者でのNPPVの成否および予後予測に重要である可能性が示唆された.