著者
西口 真央 鳥海 不二夫 高野 雅典
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.61, no.10, pp.1639-1646, 2020-10-15

近年,オンライン空間上において,主に未成年者を対象としたいじめや誘い出しのような犯罪が起こる可能性,いわゆるネットリスクを抑制することが重要な課題となっている.従来の解決アプローチの1つとしては,主に会話コーパスを入力とした,ネットリスクの高いメッセージやユーザを自動検知する取り組みがあげられる.しかしながら,実社会では会話コーパスの利用自体が困難なケースも存在し,かつ,近年は複数人で交流可能なメディアにおけるリスクが顕著に高まっている.本研究では,会話コーパスを用いずに,メタデータのみを利用してネットリスクの高いグループを識別するモデルを構築する.実データを用いた2クラス分類モデル構築実験の結果,Macro-F1値で0.883と高い精度で高リスクグループが検出可能となった.さらにモデルを解釈することで,特定のネットワーク構造を持つユーザが所属するグループはリスクが高まる,などのいくつかの興味深い知見を得た.
著者
西口 真央 鳥海 不二夫
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

本研究では,様々なソーシャルネットワーク構造を利用して,ソーシャルネットワークサービスにおけるcyber-predatorの検知を行うことで,各ネットワーク構造の説明力を比較分析する.我々はまず,プロフィールの閲覧やコメントに対する反応などから、8つのソーシャルネットワークを定義する.次に,Large-scale Information Network Embedding (LINE)と呼ばれる手法を適用し,これらのネットワーク構造の潜在表現を獲得する.得られた潜在表現を用いて、cyber-predatorを予測するための分類モデルをネットワークごとに作成する.実験の結果,多くのネットワーク構造がcyber-predatorの予測に有用であることが確認できた.また,最も説明力の強いネットワーク構造は,プロフィール情報の閲覧であるといった,いくつかの興味深い知見を得ることに成功した.本研究で得られた知見は,未成年者のサイバー犯罪被害を抑えるために利用される.