著者
西塔 由貴子
出版者
京都精華大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は、ホメロスの作品を中心に西洋古典に著された[色][色彩修飾語]を精査・分類・整理し、詩句の文学的効果を考察することによって、詩人の創造性および「色彩」の象徴性や社会的役割の解明を探究した。英国リヴァプール大学等訪問先の大学でも充実した調査を実施し、当初の予測をより実証的に検証することができた。多分野に関連する色彩表現の深層について一定の見解を提示し、さらに、停滞していた文献学的研究に新たな活路、つまり〈色-音-動き〉という次につながる方向性を見出だせたことは大きい収穫であった。国際的動向を見据えて研究を発展・展開させていくための今後の基盤を築くことができ、有意義な研究であった。