- 著者
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渡辺 征
並河 和彦
相馬 武利
林 繁利
西尾 和男
小儀 昇
山口 直樹
菅野 紘行
須永 藤子
菅野 康則
- 出版者
- 動物の原虫病研究会
- 雑誌
- 動物の原虫病 = Journal of animal protozoosis (ISSN:09157506)
- 巻号頁・発行日
- vol.19, no.1, pp.25-30, 2004-12-15
四国徳島県および大阪府(吹田市)の動物病院由来のBabesia(B.)gibsoni感染疑いの犬60症例からB.gibsoni特異P18遺伝子の増幅法(PCR)により自然感染陽性と診断された38例について、末梢血中の血小板数および白血球数に及ぼす感染の影響を調べた。PCR法は血液のWrigh-Giemsa染色塗抹標本の鏡検法よりも感染の検出感度が高く、塗抹で検出できなかった7症例も検出可能であった。感染犬の血小板数は平均50000/μl(9000-97000/μl)というように低値を示し、非感染犬22例の平均306000μl(120000-448000μl)と比べると6分の1以下であった。このように感染に伴い血小板減少症が認められた。しかし、感染犬における白血球数は非感染犬との間に2例を除いて明らかな差が認められないことから、白血球数の減少傾向は見られなかった。