著者
菅野 紘行 黒田 正明 金子 純一
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.37, no.10, pp.639-643, 1984-10-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
11

犬・猫の皮膚の縫合法のうち, 抜糸をする必要のない方法について, 避妊手術に用いることを目的として検討した.その結果, 従来より行われている埋没縫合法は, 術創で糸を結紮し切るため, 創の両側の創縁の接合が悪いと, 糸が創外へ出る欠点を経験した.そこで, 糸を術創で切らず, 創口より皮下へ入れてしまう方法を試みたところ, よい結果が得られ, とくに猫においてもっとも優れていた.
著者
渡辺 征 並河 和彦 相馬 武利 林 繁利 西尾 和男 小儀 昇 山口 直樹 菅野 紘行 須永 藤子 菅野 康則
出版者
動物の原虫病研究会
雑誌
動物の原虫病 = Journal of animal protozoosis (ISSN:09157506)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.25-30, 2004-12-15

四国徳島県および大阪府(吹田市)の動物病院由来のBabesia(B.)gibsoni感染疑いの犬60症例からB.gibsoni特異P18遺伝子の増幅法(PCR)により自然感染陽性と診断された38例について、末梢血中の血小板数および白血球数に及ぼす感染の影響を調べた。PCR法は血液のWrigh-Giemsa染色塗抹標本の鏡検法よりも感染の検出感度が高く、塗抹で検出できなかった7症例も検出可能であった。感染犬の血小板数は平均50000/μl(9000-97000/μl)というように低値を示し、非感染犬22例の平均306000μl(120000-448000μl)と比べると6分の1以下であった。このように感染に伴い血小板減少症が認められた。しかし、感染犬における白血球数は非感染犬との間に2例を除いて明らかな差が認められないことから、白血球数の減少傾向は見られなかった。