著者
原口 卓 松下 春奈 西尾 芳文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.174, pp.5-10, 2008-07-24
被引用文献数
1

自己組織化マップ(Self-Organizing Map:SOM)はKohonen氏によって提案された教師なしニューラルネットワークであり,近年クラスタリングへの応用として注目されている.過去の研究で,SOMの学習率係数が更新回数に依存するのに対し,ニューロンの性格にのみ依存する学習率係数を持つLazy Self-Organizing Map (LSOM)を提案した.さらに,そのLSOMの振る舞いを調査することで,SOMよりも入力データの分布状態をより反映したマップを取得できる反面,ねじれが生じやすいという傾向を確認した.そこで本研究では,学習率係数がニューロンの性格,怠け者の割合に依存し,さらに更新回数に従って減少する新しいLazy Self-Organizing Mapを提案する.そして,改良版LSOMの怠けニューロンの割合を変えて,様々な入力データに適用しその振る舞いと有効性を確認する.
著者
下村 将 杉本 雅樹 原口 卓 松下 春奈 西尾 芳文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.83, pp.157-160, 2010-06-11

本研究では新しいアントコロニー最適化(Ant Colony Optimization:ACO)として、敏感なアリと鈍いアリによるアントコロニー最適化(ACO with Intelligent and Dull Ants:IDACO)を提案する。IDACOアルゴリズムには、敏感なアリと鈍いアリ2種類のアリが存在することから、標準ACOアルゴリズムよりも現実のアリのコロニーに近い性質を持つと言える。IDACOを巡回セールスマン問題(Traveling Salesman Problem:TSP)に適用し、敏感なアリだけが存在する標準ACOより、IDACOの方が効果的な結果を得ることを確認する。
著者
生田 智敬 上手 洋子 西尾 芳文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.122, pp.13-17, 2010-07-05
参考文献数
8
被引用文献数
3

本研究では,ニューロ・グリアネットワークをもった階層型パーセプトロン(MLP)を提案する.ニューロ・グリアネットワークとは,脳内に存在するグリア細胞とニューロンの相互関係をモデル化したネットワークであり,グリア細胞からはニューロンのしきい値へ,ニューロンからはグリア細胞の出力へ影響を与える.このニューロ・グリアネットワークをMLPが保持していることにより従来法と比して優れた解探索が可能であることを二重らせん問題を解くことにより示す.
著者
生田 智敬 上手 洋子 西尾 芳文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.388, pp.7-11, 2011-01-17
参考文献数
5

私たちは,人間の脳内に存在するグリアと呼ばれる細胞の特徴を模したグリアネットワークについて研究を行ってきた.このグリアネットワークは,グリアがそれぞれ異なった振動を発生しており,その振動が互いに影響し合うことによって階層型パーセプトロン(MLP)の性能が向上するというものである.本研究では,各グリアは振動を発生しておらず,一個のグリアに対して外部刺激が加えられたモデルを仮定した.この外部刺激が,グリアネットワーク内を伝搬し他のグリアに伝えられるとともにニューロンに対して入力される.このように外部刺激が加えられたときのMLPの関数近似性能,被ダメージ性能,および汎化性能を示す.
著者
生田 智敬 上手 洋子 西尾 芳文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.62, pp.45-48, 2011-05-19
参考文献数
8

私たちは,脳の中に存在するグリア細胞に注目してきた.グリアは長い間,その活動がニューロンの補助と考えられてきた.しかし,近年の研究により,ニューロンのような情報伝達が可能であり,ニューロンとグリア細胞が互いに影響しあっていることが知られるようになった.そのため,現在,グリア細胞は人の思考活動に密接に関わっていると考えられている.本研究では,グリアの情報伝達に注目し,グリアパルス連鎖をもつMLPを提案する.このグリアパルス連鎖は,あるグリアがニューロンにより励起したとき,その励起状態を引き金として,周りのグリアが連鎖的にパルスを発生するモデルである.このグリアによるパルスは,脳内のグリア細胞の生物学的特徴から,ニューロンの膜電位に対して影響するように定義した.このグリアパルス連鎖をMLPに加えることにより,ネットワークの学習性能が向上することをシミュレーションによって示す.