著者
三島 利紀 小澤 治夫 佐藤 毅 樽谷 将志 西山 幸代
出版者
北海道教育大学
雑誌
釧路論集 : 北海道教育大学釧路分校研究報告 (ISSN:02878216)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.139-144, 2006

高校生の生活と貧血の実態がいかなるものかを明らかにする事を目的として本調査を行った。調査対象は、北海道内のK校に通う602名(男子510名、女子92名)、関西圏のY校に通う338名(男子207名、女子131名)である。調査は、K校が食事・睡眠・運動など生活や健康についてのアンケートと血色素量の測定、Y校は血色素量の測定のみで、単純集計した。K校においては、生活・健康アンケートと血色素量の関係をみることとし、Y高校に関しては、K校との血色素量比較をすることとした。結果、1.K校の22.0%、女子19.6%、Y校男子55.1%、女子45.0%に基準血色素量を下回る者が見られた。2.両校とも女子より男子に多かった。3.K校において、手の冷たい学生が貧血傾向を示した。4.K校の寮・下宿・アパートに生活する学生に貧血傾向が見られた。5.K校において、睡眠不足・運動不足傾向の学生が多く、そうした生活習慣が貧血に影響している傾向が見られた。一般的に女子に多いといわれる貧血であるが、運動・食事等が充実していた男性に多くなってきたことは、大きな問題であり、睡眠・食事・運動といった生活習慣の見直しが男女問わず求められることが示唆された。