著者
青木 勝也 杉多 良文 吉野 薫 谷風 三郎 西島 栄治 津川 力
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.7, pp.1086-1089, 2000

Penaが発表したtotal urogenital mobilizationは総排泄腔長が3.0cm以下の総排泄腔遺残症に対して施行される根治術で, 合併症が少なく, ほぼ正常に近い外観が得られると報告された.今回我々は総排泄腔遺残症の1例に対してtotal urogenital mobilizationを行い満足のいく結果を得たのでその手技を報告する.症例は9カ月女児.posterior sagittal approachにて総排泄腔後面に到達したあと, 総排泄腔より直腸を分離し膣と尿道を一体として受動せしめ会陰部に開口させ, 最後に肛門形成を行った.術後1年が経過して膣狭窄, 排尿障害などの合併症はなく, 外観的に正常に近い状態が得られている.total urogenital mobilizationは総排泄腔遺残症の患児に対して手術時間の短縮, 尿道膣瘻, 膣狭窄などの合併症の軽減が期待でき, 外尿道口と膣口が近接することからより正常に近い外観が得られる優れた手術法であると考えられた.
著者
青木 勝也 杉多 良文 吉野 薫 谷風 三郎 西島 栄治 津川 力
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.7, pp.1086-1089, 2000-12-20 (Released:2017-01-01)
参考文献数
6

Penaが発表したtotal urogenital mobilizationは総排泄腔長が3.0cm以下の総排泄腔遺残症に対して施行される根治術で, 合併症が少なく, ほぼ正常に近い外観が得られると報告された.今回我々は総排泄腔遺残症の1例に対してtotal urogenital mobilizationを行い満足のいく結果を得たのでその手技を報告する.症例は9カ月女児.posterior sagittal approachにて総排泄腔後面に到達したあと, 総排泄腔より直腸を分離し膣と尿道を一体として受動せしめ会陰部に開口させ, 最後に肛門形成を行った.術後1年が経過して膣狭窄, 排尿障害などの合併症はなく, 外観的に正常に近い状態が得られている.total urogenital mobilizationは総排泄腔遺残症の患児に対して手術時間の短縮, 尿道膣瘻, 膣狭窄などの合併症の軽減が期待でき, 外尿道口と膣口が近接することからより正常に近い外観が得られる優れた手術法であると考えられた.
著者
久松 千恵子 西島 栄治 前田 貢作
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.1061-1066, 2016-08-20 (Released:2016-08-20)
参考文献数
10

症例は6 歳女児.3 歳時に黄疸の精査で遺伝性球状赤血球症(HS)と診断された.4 歳時より半年に1 回位の頻度で右上腹部痛があり,腹部超音波検査では胆泥が確認されていた.6 歳時に腹痛が頻回となり,黄疸の増強と画像検査にて脾腫と総胆管内の胆泥貯留を認め,当院に紹介入院となった.内視鏡的経鼻胆道ドレナージ・乳頭括約筋切開術により胆泥はドレナージされたものの黄疸は持続した.その後,腹腔鏡下脾臓・胆囊摘出術を施行.術後腹腔内出血を生じ,経カテーテル的動脈塞栓術を行ったが完全な止血は得られず,開腹止血術を行った.その際血液凝固能の著明な低下を認めた.止血術後,黄疸は漸減したが遷延した.精査にてビリルビンUDP-グルクロン酸転移酵素(UGT1A1)の遺伝子変異を認め,体質性黄疸の合併と診断した.HS で幼少期に胆泥・胆石や遷延性黄疸を生じる症例では,体質性黄疸を合併している可能性があると考えられた.