著者
西村 憲人 小川 正賢
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.73-76, 2012 (Released:2018-04-07)
参考文献数
2

近年,都市圏を中心に科学実験塾・塾の実験教室(以後,総称して「実験塾」と呼ぶ)が急速に増加している.実験塾は,設備面,安全面,技術面等を考慮すると,通常の塾よりもコストの高いコンテンツであると思われるにもかかわらず,相次いで開校されるにはそれ相応の需要があるからであろうと推察される.日本科学教育学会第 36 回年会では,実験塾のニーズの区分とそのニーズを解明するための分析枠組を提案した.本発表では,保護者に対して行った Web アンケート調査の結果を報告する.保護者のニーズとして,「受験のため」という教育における「実利的ニーズ」は少なく,「科学に興味・関心を持ってほしい」という「本質的ニーズ」の側面が強いことが確認された.また,実験塾に「通わせたくない」保護者は「経済的な理由」を多く挙げており,「もっと月謝を安くしてほしい」という「市場におけるニーズ」の存在も見受けられる.