著者
木村 優里 小川 正賢
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.171-176, 2018-12-08 (Released:2018-12-05)
参考文献数
20

本研究の目的は,「科学実践に関わる市民」を捉える新しい理論枠組みの検討である.先行研究を参考に検討し,「科学者」と「市民」の間に「科学アマチュア群」を定位し,その中を,知識・技能のレベル,活動に対する積極性,関与している期間の3軸を指標として区分することで,多様な「科学実践に関わる市民」を捉える枠組みを提案した.
著者
木村 優里 小川 正賢
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
科学教育研究 (ISSN:03864553)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.324-334, 2018 (Released:2019-02-02)
参考文献数
7

The current study is one of the hypothesis verification studies of previous work (Kimura, 2017), in which a hypothetical model, explaining why amateur scientists could continue their scientific practices, was generated through a qualitative research method, the Modified Grounded Theory Approach (M-GTA). The present study examined common elements enabling Japanese amateur entomological scientists to continue their scientific practices in the hypothetical model, by using a quantitative research method. A total of 70 amateur entomological scientists voluntarily participated in a questionnaire survey, consisting of 3 attribute questions and 19 main questions, which identified a total of 21 essential elements (‘categories,’ ‘concepts,’ and ‘processes’) of the model. The data obtained was analyzed quantitatively. The findings revealed that the 21 elements could be divided into three groups: Thirteen elements were shared among the Japanese amateur entomological scientists, whereas 5 elements were not, while the remaining 3 elements were in-between.
著者
小川 正賢
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
科学教育研究 (ISSN:03864553)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.191-204, 2011-06-10 (Released:2017-06-30)
参考文献数
17
被引用文献数
1

The Exploratorium, founded by Frank Oppenheimer, has been regarded as one of the origins of hands-on 'science' museums, while its unique exhibition rationale described in its title 'the museum of science, art and human perception,' shows that it is not necessarily a simple 'science museum.' Why has it been perceived as a museum, not of 'science, art and human perception,' but of 'science'? In order to explore the question, the present study examined how the Exploratorium's exhibition rationale was reflected in the exhibition, 'Exploratorium in Japan' held in 1989. Through an extended examination of the exhibit selection process using a collection of recorded documents from the Japanese side as well as an archive from Exploratorium's official management record (US side), no concrete and detailed discussion on the exhibition rationale and/or exhibit policy between the two sides was found to have happened during the negotiation process.
著者
小川 正賢
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.41-46, 2017-11-11 (Released:2018-07-01)
参考文献数
25
被引用文献数
1

「大学教育の国際化」という文脈で,大学の授業を英語で行うことが求められるようになってきているが,「教授学習言語を英語化する」とはいったい「具体的にはどのようなことなのか」を問う研究は多くない.本稿では,「英語と日本語との関係性」という視点から,大学教育の教授学習言語問題を見直す第一歩として,日本の理学系高等教育の創成期での「関係性」を探ることを試みる.具体的には,先駆けの一つであった札幌農学校を事例として取り上げ,そこでの教授学習言語の実情(創設期の外国人教師による英語の講義が,卒業生を中心とした日本人教師になって,講義が日本語化する状況)を受講ノートという史料に基づいて解読し,「英語と日本語との関係性」について,問題点を整理する.
著者
小川 正賢
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.105-110, 2012 (Released:2018-04-07)
参考文献数
16

理工系博士号取得者の未就労問題は日本でも大きな課題となっており,政府,大学,研究機関,研究資金提供機関等も各種の方策を考案・実施してきているが,目にみえる成果は得られていない.それとは対照的に,博士号取得者の就労が問題化していない国もある.フィンランドはその一例である.本事例研究の目的は,フィンランドでは博士号取得者の就労問題に関していかなる方策が立てられているのか,その特徴を解明することにある.2012年初夏に実施したフィンランドの2大学への訪問調査と,文献資料の分析を行った.主な知見は,博士教育の当事者たち(教授,プログラム・コーディネータ,大学院生,大学管理者,政府担当者,開発公社担当者)が「就業スキル(転移可能なスキル)開発」を大学院教育の重要な要素として認識しそれを導入しはじめていることである.
著者
野上 智行 小川 正賢 稲垣 成哲 川上 昭吾 中山 迅 小川 義和 竹中 真希子
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

本研究では,『科学技術コミュニケーター』としての能力を備えた理科教師の育成を目指すために,大学・大学院と科学系博物館の連携を前提とした教師教育プログラムの開発と評価に取り組んできた。総括グループでは,科学系博物館との連携をベースとした『科学技術コミュニケーター』としての教師教育プログラムを開発するための基本的な諸要件,すなわち,プログラムの根幹となる目的・目標論,学習論,方法論,内容論,評価論について検討が行われた。5つの地域グループでは,各地域の科学系博物館等と連携して,教師教育プログラムの具体的な開発がなされた。主要な研究成果としては,愛知グループでは,愛知県内の博物館と連携したワークショップの企画・実施,博物館のハンズオン展示の調査,博物館を利用した国語教育と理科教育を結ぶための教師支援の実践的研究等が行われた。宮崎グループでは,宮崎県総合博物館との共同によって,火山灰に関する授業をべースとした中学理科教師のサイエンス・コミュニケータとしての力量を育成するための実践的研究が行われた。広島グループでは,広島市子ども文化科学館や広島市森林公園昆虫館における子ども向けの科学普及教室の分析や小学校と連携した授業開発をベースとした教師教育プログラムの試案が作成された。兵庫グループでは,携帯電話からアクセス可能なバーチャル博物館が構築されるとともに,その有効性が実験的に評価された。高知グループでは,高知県立牧野植物園などを対象にして教師教育プログラム開発のための可能性が検討された。特筆すべきこととして,本研究における一部の業績に対して,日本科学教育学会(JSSE)の論文賞(2007年8月),日本科学教育学会(JSSE)の年会発表賞(2006年8月)の2件が授与されていることを指摘できる。