著者
砂原 雅夫 西村 政子 宇多川 清美 金 珉智
出版者
一般社団法人 アジアヒューマンサービス学会
雑誌
Journal of Inclusive Education (ISSN:21899185)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.102-110, 2020 (Released:2020-08-30)
参考文献数
29

近年、経済・産業構造の変化により仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスを感じている労働者の割合が高くなっている中、保育士の早期離職の傾向も高まっている。しかしながら、保育士の性格や特性等の内面的要因とキャリアアップの支援策の関連においては未だ十分に検討されていない。本研究では、保育所内における職業人に対して心と体の健康が情報の取得及び表出する能力に与える影響をキャリアにおけるニーズを分析する観点から検討することを目的とし、Scale for Coordinate Contiguous Career(Scale C3)を用いて、パーソナリティとキャリアを評価した。構造方程式モデリングを用いたパス解析の分析の結果、年齢と勤続年数という変数が心と体の健康に影響し、さらに注意特性に影響を及ぼし、最終的には情報取得と情報表出といったキャリアにおける影響を与えるモデルにおいて良好な適合度が見られた。心と体の健康が、年齢や勤続年数に影響を受けることについては、職業人として仕事をする上で年齢による体の変化や人間関係などが関連していることが考えられることが示唆された。
著者
西村 政子 猪又 由華里 趙 彩尹
出版者
公⽴⼤学法⼈ 下関市⽴⼤学
雑誌
教育経済学研究 (ISSN:24361798)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.1-13, 2023 (Released:2023-02-28)
参考文献数
26

日本の高等教育機関では、若者に対するグローバル人材育成に向けた国際化事業に力を入れている。この取組みは、「外なる国際化:学術の習得や研究等の目的達成のために自国以外に比較的長い期間在留する、海外留学に代表される取組み」と「内なる国際化:グローバル人材に求められる能力やスキルを大学のキャンパスにおいて身に付けるための、海外留学に替わる取組み」に区分することができる(西村ら,2022)。グローバル人材育成に最も効果的な政策として留学が推進されている一方で、留学せず社会に出ていく多くの若者の国際化は、多文化共生社会を担う人材育成にとって喫緊の課題である。そのため本稿では、「内なる国際化」を留学の限界を補完しグローバル人材育成を強化する手段となるプログラムとして構築するため、必要な要素についての事前調査を行った。その結果、大学教育における内なる国際化は、学生に自己成長や行動変容を促すなどの教育的意義を持っており、大学の取組み内容においては、留学生と日本人学生との交流・協働、地域社会・産業との関わりという共通性を確認した。文部科学省が行う国際化推進事業において採択数の少ない公立大学の取組実態に焦点を当てることで、国際化の取組みを実施していない、又は実施が困難な状況にある大学においても、実現可能性が高く継続することのできる取組みの要素として、(1)キャンパス及び地域の多様性の活用、(2)チューター制度などの一定期間に渡る学生交流の活用、(3)異文化理解講座などの 1 回完結型交流の活用、の 3 つの要素が抽出された。