著者
上野 惠美 趙 彩尹
出版者
一般社団法人 アジアヒューマンサービス学会
雑誌
Journal of Inclusive Education (ISSN:21899185)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.83-93, 2022-08-30 (Released:2022-08-30)
参考文献数
8

2019年から始まった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって、人々の日常生活が奪われ、行動制限の中で生活することとなった。コロナ禍の中、次世代を担う大学生の新卒採用において、企業等がどのような経験や能力を把握したいと考えているのかを確認し、今後のキャリア教育の内容に反映させることが本研究の目的である。本研究においては、大学生の就職活動の選考における初期段階で、選抜のために使われるエントリーシートに着目した。エントリーシートでは学生生活での経験を問う内容が多いが、コロナ禍の行動制限がある中で、それに答えることのできる内容は、コロナ禍前に学生生活を過ごした大学生と比較すると圧倒的に少ないと考えられる。そのため、エントリーシートの質問項目が大きく変化したのではないかという仮説を立てた。収集したエントリーシートをコロナ禍前後で比較するため、テキストマイニングによって分析を行った結果、コロナ禍前には画一的な質問項目が多かったがコロナ禍後においては、多角的な質問項目が増えたことが確認できた。また、「学業」「興味」「資格」という、コロナ禍においても一人で取り組みやすい質問項目が増えているという、興味深い結果が確認できた。
著者
西村 政子 猪又 由華里 趙 彩尹
出版者
公⽴⼤学法⼈ 下関市⽴⼤学
雑誌
教育経済学研究 (ISSN:24361798)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.1-13, 2023 (Released:2023-02-28)
参考文献数
26

日本の高等教育機関では、若者に対するグローバル人材育成に向けた国際化事業に力を入れている。この取組みは、「外なる国際化:学術の習得や研究等の目的達成のために自国以外に比較的長い期間在留する、海外留学に代表される取組み」と「内なる国際化:グローバル人材に求められる能力やスキルを大学のキャンパスにおいて身に付けるための、海外留学に替わる取組み」に区分することができる(西村ら,2022)。グローバル人材育成に最も効果的な政策として留学が推進されている一方で、留学せず社会に出ていく多くの若者の国際化は、多文化共生社会を担う人材育成にとって喫緊の課題である。そのため本稿では、「内なる国際化」を留学の限界を補完しグローバル人材育成を強化する手段となるプログラムとして構築するため、必要な要素についての事前調査を行った。その結果、大学教育における内なる国際化は、学生に自己成長や行動変容を促すなどの教育的意義を持っており、大学の取組み内容においては、留学生と日本人学生との交流・協働、地域社会・産業との関わりという共通性を確認した。文部科学省が行う国際化推進事業において採択数の少ない公立大学の取組実態に焦点を当てることで、国際化の取組みを実施していない、又は実施が困難な状況にある大学においても、実現可能性が高く継続することのできる取組みの要素として、(1)キャンパス及び地域の多様性の活用、(2)チューター制度などの一定期間に渡る学生交流の活用、(3)異文化理解講座などの 1 回完結型交流の活用、の 3 つの要素が抽出された。
著者
照屋 晴奈 趙 彩尹 矢野 夏樹 金 彦志
出版者
一般社団法人 アジアヒューマンサービス学会
雑誌
Journal of Inclusive Education
巻号頁・発行日
vol.7, pp.50-62, 2019

重度・重複障害児への教育は、意思表示や実態把握の難しい等の課題があること、また、新学習指導要領で求められる、子どもたちが「何ができるようになるのか」、資質・能力を育成するために「何を学ぶのか」という、具体的な教育目標を示すことの課題があった。そこで。自立活動の内容とQOL尺度を対応させ、QOLの観点が具体的な教育目標として活用できるのではないかと考えた。新学習指導要領の自立活動6区分27項目に2つのQOL尺度を対応した結果、すべての項目が自立活動の内容に含まれる可能性があることが分かった。自立活動の内容に当てはまらなかったQOL尺度の項目内容として、経済に関する教育と性教育についての課題が示唆された。本研究により、新学習指導要領が実施される今後の教育について、重度・重複障害児への教育はQOL尺度の項目内容が子どもたちへの教育目標として活用できる可能性あることが明らかとなった。
著者
照屋 晴奈 趙 彩尹 小原 愛子 金 珉智
出版者
一般社団法人 Asian Society of Human Services
雑誌
トータルリハビリテーションリサーチ (ISSN:21881855)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.61-69, 2019

In special needs education, it is important to consider the psychology, physiology, and pathological aspects of children and students (Kohara, Nakakuroshima, Nagahama et al., 2015). Especially with regard to the education of children with health impairment, it is important to understand and provide educational support, as physiological and pathological diseases such as chronic diseases often affect psychological aspects. Therefore, in this research, clarify the problems of the previous researches on the relationship between “psychology, physiology and pathology” in education of the children with health impairment in Japan from the viewpoint of psychology and physiology and pathology. And also it aimed to become basic research to develop the teaching method based on the relationship. As a result, with regard to practical cases regarding support for children with health impairment and children with chronic diseases, in particular in the field of education and medical care, evaluation based on scientific evidence is carried out for evaluation regarding psychological , physiological and pathological viewpoints. There was no case. In the future, it will be necessary to develop tools that can establish the relationship between “psychology” , “physiology” and “pathology” in sick and chronically ill children. And in the development of the tool, the result of this research is considered to be useful to make the construct.
著者
太田 麻美子 金 珉智 趙 彩尹 權 偕珍
出版者
一般社団法人 Asian Society of Human Services
雑誌
トータルリハビリテーションリサーチ (ISSN:21881855)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.83-94, 2019

At present, evaluation of “adaptive behavior” is regarded as important in intellectual disability, and it is considered that it is not difficult to manage daily life by providing appropriate educational support and social support (MEXT, 2013). People are affected by the environment and their psychology changes, leading to action. If they have a disorder, in addition to the psychological aspect, the physiological and pathological aspects are also affected. Therefore, for children with intellectual disabilities, higher educational effects can be expected by providing educational support in consideration of psychological, physiological, and pathological aspects.Therefore, in this research, by defining the definition and diagnostic criteria of mental disorders and organizing psychology, physiology, and pathological factors, 1) Examine whether the contents related to psychological, physiological, pathological changes are described in the diagnostic criteria or adaptive behavior. 2) In addition, from the point of the QOL of intellectual disabilities persons and the QOL of children, it examined what kind of domain is necessary when capturing the psychological, physiological, and pathological changes of children with intellectual disabilities.