著者
上田 治 川島 一彦 和田 克哉 西村 昭彦
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土質工学会論文報告集 (ISSN:03851621)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, 1984-06-15

基礎の静的および動的耐震設計法を紹介したものである。まず静的耐震設計において考慮すべき諸因子について述べ, 更に, 地盤の流動化や支持力の低減の危険性がある場合の地盤の設計上での取扱い方について説明している。特に橋梁の耐震性には地盤条件が強く関係しているため, 設計上地盤を4種に分類する方法が述べられている。また, 震度法および修正震度法に用いる設計水平震度の求め方が紹介されている。次に, 静的設計法による安全性の検定だけでは不十分な場合には, 動的解析による耐震性の検討の必要性を指摘している。しかし現在のところ, 荷重の選定から応力度および安全性の検討に至るまでの手順を一貫して明確にした設計法は確立されていないので, ここでは, 動的解析の必要性と解析に考慮すべき事項を述べ, 動的解析手順の例を紹介するだけにとどめている。また, 流動化の判定がなされた後の基礎構造物の設計について説明をし, 更に国鉄における地震時の軟弱地盤の変形を考慮した基礎の設計法が紹介されている。
著者
末沢 一男 小西 薫 西村 昭司郎
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会四国支部紀事 (ISSN:0915230X)
巻号頁・発行日
no.3, pp.8-12, 1967-06

1.籾の乾燥効果 試験結果の乾燥効果は顕著で,立毛水稲の籾水分を16〜17%まで下げ得るのは容易に出来る。2.籾及び茎葉の乾燥状況 枯れ上りの熟位は籾,茎葉ともに灰白位となり,稍色状が不良である。3.刈取及び脱穀の難易 散布後日を経るに従い,穂首の垂れ込みを生じ刈取作業が困難となるが,籾水分16〜17%になるには3日程度であるからさほど困難を感じない。脱穀の難易については,一部では穂首の折損,調整に困難な点が見られたが大部分は特に問題は認めない様である。4.気象と乾燥効果 散布後の天候の良否は乾燥効果に影響が大きく,降雨がないか少ない場合は高温下であり効果が顕著であるが曇雨天が多ければ籾水分16〜17%程度になるのにも或る程度時日(4〜5)を要する。しかし降雨があった場合でも一旦水分を吸収して戻るが,天候が恢復した時の乾燥は無散布のものに比し遥かに早く戻る。5.収量に及ぼす影響 散布薬量が多ければ若干減収が認められる。又散布時期も早い場合は若干の減収が認められるが成熟期の2〜4日前処理では殆んど減収は認められたい様である。6.茎葉の利用について ワラの利用については,変色が見られるためワラ加工の利用は稍困難と思われる。又家畜飼料としての利用は今後検討することが必要である。7.薬臭の残存程度 本剤は人畜に対し無害と云われているが一種特有の臭気があり,収穫後も籾及び茎葉に悪臭が残る。しかし籾は玄米になると臭気が無くなり,茎葉も1週間〜10日位で殆んど無くなるようである。8.散布置と散布後の刈取適期 10アール当概ね2〜3kgの散布量で足りる。刈取は天候其の他によるが略々散布後3〜4日目に刈取るのが適当のようである。