著者
森 健治 橋本 俊顕 原田 雅史 米田 吉宏 島川 清司 藤井 笑子 山上 貴司 宮崎 雅仁 西條 隆彦 黒田 泰弘
出版者
The Japanese Society of Child Neurology
雑誌
脳と発達 (ISSN:18847668)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.329-335, 2001

自閉症患児29例 (IQ50以上=6例, IQ50未満=23例) および正常小児19例において, 扁桃体~海馬を含む左, 右側頭葉内側部, 左小脳半球の3箇所にてproton magnetic resonancespectroscopy (1H-MRS) を施行し, 代謝物質の濃度を抑制されていない組織水を用いた内部標準法にて測定した.IQ50未満の自閉症患児においては, 扁桃体~海馬を含む左側頭葉内側部および左小脳半球にてN-acetylaspartate濃度が有意に低下していた.これは, これらの部位における神経細胞の減少や発達異常あるいは神経活動の低下を反映していると考えられ, 自閉症で報告されている神経病理学的所見および脳血流SPECTの所見とよく一致していた.1H-MRSは自閉症の病態解明に有用であると考えられる.
著者
宮崎 雅仁 西條 隆彦 森 健治 田山 正伸 内藤 悦雄 橋本 俊顕 黒田 泰弘 埜中 征哉
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.65-70, 1991-01-01 (Released:2011-08-10)
参考文献数
20

Epilepsia partialis continuaを呈したmitochondrial myopathy, encephalopathy, lactic acidosis, and strokelike episodes (MELAS) の14歳1カ月男児例を報告した.本症例は8歳時に自家中毒様の反復する腹痛および嘔吐で発症し, 10歳7カ月, 10歳9カ月, 14歳1カ月の3回にわたりミオクロニー発作, 一過性の片麻痺などの脳卒中様症状を認めた.14歳1カ月時はepilepsia partialis continuaを呈し, 10日間にわたり, 脳波上, 右中心部に出現する棘波に同期する左前腕のミオクロニー発作が持続した.血液および髄液中の乳酸・ピルビン酸の上昇, 頭部CTでの両側側頭部の低吸収域, 生検筋ではragged-red fiberが認められた.