- 著者
-
市山 高志
西河 美希
林 隆
古川 漸
- 出版者
- 一般社団法人 日本小児神経学会
- 雑誌
- 脳と発達 (ISSN:00290831)
- 巻号頁・発行日
- vol.29, no.6, pp.466-470, 1997-11-01 (Released:2011-08-10)
- 参考文献数
- 20
急性脳炎において, 局所の免疫・炎症病態を検討するため, 急性期の髄液中のinter-Ieukin-1β (IL-1β), IL-6, tumor necrosis factor-α (TNF-α), soluble TNF receptor1 (sTNF-R1) をsandwich enzyme-linked immunoassay法で測定した.対象は急性脳炎の24名で, 神経学的後遺症の有無により予後不良群9名, 予後良好群15名に分けて検討した.IL-1β, IL-6, TNF-α, sTNF-R1とも対照群 (23名) に比して予後不良群, 予後良好群とも有意に高値を示した.またsTNF-R1は予後不良群が予後良好群より有意に高値を示した.以上からIL-1β, IL-6, TNF-αは急性脳炎の炎症・免疫病態に関与しており, また急性期の髄液中sTNF-R1値は神経学的予後を推測しうる指標になると考えた.