著者
西浦 誠 寺地 智弘 舟場 正幸 松井 徹
出版者
日本ペット栄養学会
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.15, no.Suppl, pp.Suppl_52-Suppl_53, 2012-07-01 (Released:2013-03-21)
参考文献数
2

ICP-MS の半定量測定モードを用いて、ペットフードのトキシコメタローム解析を試みた。ペットフード中金属の半定量測定では、極めて濃度の低い元素を除き繰り返し再現性が比較的高かった。Li・Al・V・Mn・Co・Cu・As・Rb・Sr・Mo・Cd・Hg・Pb の 13 元素に関しては、添加回収率が 70%~120% であった。これら 13 元素で定量分析値に対する強い回帰が認められた。したがって、同時にこれら多数の金属測定が可能であることが示された。よって、ICP-MS の半定量分析は、金属によるペットフード汚染を防止する上で有効なスクリーニング手法となりうる可能性が示された。
著者
寺地 智弘 西浦 誠 舟場 正幸 松井 徹
出版者
日本ペット栄養学会
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.13-17, 2013-04-10 (Released:2013-05-17)
参考文献数
7

ICP-MSの半定量測定モードを用いて、20種類の市販キャットフード(ドライフード:10、ウェットフード:10)の有害金属類の同時分析を試みた。健康被害リスクがあるとされる元素の内、Li·B·Al·Ti·V·Cr·Mn·Fe·Co·Ni·Cu·Zn·Ge·As·Se·Rb·Sr·Mo·Ag·Cd·Sn·Sb·Ba·W·Hg·Pb·Biの27元素を対象に、添加回収率、変動係数 (CV)、また、定量測定値との回帰を検討したところ、Li·Al·V·Mn·Co·Cu·As·Se·Rb·Sr·Mo·Cd·Sn·Hg·Pbの15元素で、ドライフード、ウェットフードともに、添加回収率が70%~120%、CVが10%以下であり、定量分析値に対する強い回帰 (r2>0.9) が認められた。また、B·Ti·Fe·Zn·Sb·Baの6元素は、添加回収率が70%以下あるいは120%以上であったものの、定量分析値に対する強い回帰が認められた。Cr·Ni·Geの3元素は、定量性は低い、あるいはキャットフードからはほとんど検出されなかったものの、National Research Council (NRC) の定める、げっ歯類における最大耐容量を添加したところ、添加回収率は82~120%であり、検出可能であった。ICP-MSを用いた半定量分析は、多様な有害金属類によるペットフード汚染を防止する上で有効なスクリーニング手法となりうる可能性が示された。